天上天下唯我独尊

2011年09月03日(土) 晩夏の怪談2011

TVゲームが嫌いだ。

ゲーム自体は好きだ。
うっかり1時間2時間が平気で過ぎるほど夢中になる。
大好きだが、主人がプレステ系を始めると、TVを占領されてしまうのだ。
最近は見たい番組自体が減ったから良いが、ニュースなどを今!今見たいの!という時は困る。
震災後は主人のゲーム熱も冷めたようで、やれやれと思っていたが、いつの間にか新しいソフト(我が家において新しいという意味で、世間的には全く新しくない中古品)を買っていた。
しかも我が家のコントローラーでは動かないと知って、新しいコントローラーまで。
……まあいいけれどね、稼いでいるのは主人だから。

今日はコントローラーが届いて、早速新しいゲームをやっていた。
私がトイレから戻って来ると、彼が言った。
「シオン、今何か言った?」
「言ってないよ。そもそもこの部屋にいなかったじゃん」
「ふーん……」
あーまた何か聞こえたのか。
言いたくなさそうだったが、質してみると、
「後ろで誰かが『死んでいいよ』って言った」
だそうで。
女の声? 子供の声? と重ねて訊いたが、わからないと言う。
またかよ……また何かいるのかこの部屋に。
しかし見えないものは仕方が無いので、私はまた家事に、主人はゲームに戻った。
そしたらほどなく、
「死んでいいよ」
と。今度は私にも聞こえた。
「これだー!」
とTVを指差す2人。
そう、ゲームの声であった……。
「何が『後ろから聞こえた』だよ。思いっきり正面じゃねーか」
「あー良かったー」
泣きそうな顔の主人であった。


 < 過去  INDEX  未来 >


春 紫苑 [MAIL]

My追加