天上天下唯我独尊

2010年12月20日(月) 怨讐のプリン

我が家では毎年、仲人さんにお中元とお歳暮を贈っている。
今回は主人がネットで見繕ったものを送った。
私よりも彼の方が鼻が利くので。

以前、私が選んで失敗しかけた事があったのだ。
JALUXのカタログを見て、とても惹かれた商品があった。
それは、北坂たまごのプリン。



これがとても美味しそうに見えたので、
「これにしようよ」
と主人に提案すると、彼は難色を示した。
「どうかなあ。こっちの方がいいと思うけれど」
と、彼は別の商品を贈りたがった。
仲人さんは主人の元上司なので、最終決定権は主人にあると思い、私は譲歩して彼の推す品物を贈った。
しかしあのプリン、どうしても食べてみたい。
「じゃあさ、あれはうち用に買おうよ!」
と半ば強引に取り寄せる事にした。
いちいち煩い事は言わない主人なので、シオンがそんなに言うならいいよ、とあっさり買ってくれた。
家に届いた日に早速、夕食後のデザートに開封した。
殻を剥いてカラメル・シロップを掛け、わくわくしながら口に運んだ。
「…………」
無言になる2人。
あれ?
「あんまり美味しくないんですけれど……」
悪い意味で期待を裏切られて呆然とする私。
一方主人は、
「これさ、中はただの卵だから、プリン自体には味が付いていないんだよ。味はキャラメルだけに頼っている訳だから、微妙なんだよね」
と冷静に分析していた。
この時の私の落胆振りと来たら、思い出したくないぐらいだ。
だって安くない物をわざわざ通販で取り寄せて、このざまだよ?
唯一の救いは、仲人さんに贈らなくて良かったという事だろうか。
主人の言う通りにしておいて、本当に良かったと思った。

残りのたまごは到底食べる気になれず、翌日主人に職場に持って行って貰った。
食べてくれた同僚達の評価も微妙だったようで、「美味しい」という言葉は終ぞ聞かれず、
「珍しい物を有難う」
というコメントが主流だったそうである。

それなのに、このまるごとプリン、カタログは相変わらず「人気商品」と銘打っている。
私のように、物珍しくて買ってしまう人はいるかも知れないが、リピーターは多くないような気がする。
何でまだこれが売れているんだ……と苦虫を噛み潰す思いでカタログを見ていたら、「※本体には甘みを加えておりません。シロップをかけて、お召し上がりください」と書いてあった。
以前はこの一文は無かった筈。
多分、私のように期待を裏切られた客が苦情を言ったのだろう事は、想像に難くない。
流石に私はそんな事でクレーム入れたりしなかったけれど。
一寸考えたら判る筈じゃん、丸ごとの卵の中身にどうやって味を付けるのだと。
まあ、食べるまで気付かなかった私もかなり馬鹿だけれどさ……。


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