天上天下唯我独尊

2010年04月11日(日) 小さな東の町

取り敢えず生活出来るぐらいには家の中が片付いたので、東を目指して、主人とドライブに出掛けた。
とは言え、野と山の他には何も無いのだけれど。
でも私は行ってみたかったのだ。もしかしたら主人が飛ばされていたかも知れない土地に。
1時間ほどで行き着いたそこは、現住所より更に田舎であった。
地上デジタル放送や、フレッツ光も来てなさそう。
これは……、もしここに転勤になっていたら、物件探しが更に大変だったろうなと思った。
半端な田舎の現住所でさえ探すの大変だったのに、昭和の匂いの残るこの土地だったら……と考えると、やはり今の転勤先で良かったのだろう。
主人は子供の頃、ここに住んでいた事があるらしい。
「どう、覚えている?」
と訊いてみると、
「なんとなく。所々だけれどね」
と彼は言った。
特に、懐かしいという感情も無いらしい。

帰りは別ルートで、道の駅に寄ってみた。
主人が好きなのだ、道の駅……私はどちらかと言うと、何処にも寄らずにとっとと目的地に着きたいタイプ。
でも特に急ぎでもない時は、主人と一緒に、あれこれ見て回るのも悪くない。
地元の工芸品コーナーを見ていたら、手芸品に混じって、見た顔が……。
白い兎の編みぐるみ、黒いお目目に、ばってんのお口。
えーと、これって、みっひーでは……。
「知的所有権的にどうなのー?」
と主人の袖を引っ張ったら、
「まあ、いいんじゃないの、田舎なんだし」
えー? 良くないと思う……。
これじゃあ、中国の事を笑えないよ。


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