天上天下唯我独尊

2006年11月30日(木) うつむく青年

昨夜は「オーラの泉」を見た。
堀ちえみの巻である。
堀ちえみには興味は無いが、昨今のいじめ自殺問題について取り上げていたので、そちらを見たかったのだ。
美輪明宏が言うには、自殺した子供達は遺書に「生まれ変わったらまたお父さんお母さんの子供に生まれて来たいです」と書くけれど、生まれ変わるのは競争率が高くて、なかなか大変なのだそうだ。
しかも自殺すると、それまでの経験はリセットされてしまい、また同じ苦労を味わう事になるのだとか。
つまり、それまでの辛い経験も全て無駄になり、非常に馬鹿馬鹿しい事だから自殺はお止めなさい、と言う。
なるほどねえ。
でも私は生まれ変わりと言う概念は嫌いだ。
他所のおうちに生まれたくないもん。
生家の家族は、父と母と妹、それでいい。

美輪明宏は続ける。
苛めるのは、相手の気持ちを慮れないから、つまり想像力が足りないからそのような惨い事をするのだと。
しかし私は言いたい。
他人の事を思いやれないのは、自殺する人間も同じだ。
自分が自殺したら、遺された家族や友人がどれだけ心に傷を負うか、死後の整理でどれだけ面倒な思いをするか、自殺死体を片付ける人や発見者がどれだけ嫌な思いをするか、少しは考えてみろ。
偶に起こる巻き込み自殺なんて、傍迷惑の最たるものだ。
何故わざわざ下に他人がいる所で飛び降りるのだ?
確か姉歯の妻も、他人の車の上に飛び降りて目茶目茶にしていたな。車の持ち主はいい迷惑だったろう。
自殺志願者も、想像力を養った方がいい。

想像力を養うためには、詩を読めと美輪は言う。
隣りでスピリチュアル・カウンセラー江原啓之が、小説でも絵画鑑賞でもいい、と付け足していたが、私も読書の方がいい。
詩なんてつまらん、国語で詩の授業の時は、私はいつも教科書の他の頁を開いて小説を読んでいた、という話を主人にすると、
「そりゃ当たり前だ。国語でやる授業なんてつまんないよ。でも、詩はいいよ」
と言って、お気に入りの谷川俊太郎の詩集を持って来た。
「シオンには、この詩がいいな」
彼はそう言うと、詩集を広げて私の前に置いた。

  

「聞こえるか」

黙ってみないか
ちょっとでもいいから
黙ってみないか
新聞もラジオも君も


なんか……ムカつくな。


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