事実を受け入れるという経験。 - 2009年06月18日(木) 私の下にいる新人Aくんも、もう4月から新人ではなくなりました。2年生です。 実は彼、一昨日から元気がありません。 一昨日の午後、あるお客さんでトラブルがあり、リモートで院内のネットワークに入って作業しているとき、 「あのう、私の同期なんですが」 と、おもむろにAくんが語り出した。 私は歯痛のため鎮痛剤を飲んでいて、もう動きを止めたら寝てしまうくらい眠かったので、話しかけてくれたのは好都合でした。 「どうした?、また会社辞めた子が出たか?」 と、私。 去年の新人でひとり、試用期間にクビになった子がいたことを知っていたので、ちょっと冗談ぽく言ってみたのです。Aくんは、相手に合わせて笑ってくれる子なので、このときも、はは、と笑ってくれたのだけど、何か様子がおかしい。 「いや、その次の話です」 「その次?」 「死んだみたいです」 「!」 「…目、覚めました?(苦笑)」 ここ数年、うちの会社の新人は、道外にある兄弟会社の新人と、研修期間を一緒に過ごします。 研修期間は3ヶ月くらいなのかな。 その間、ずっと同じ教室で勉強して、定時に終わるから飲んだり、いろいろ遊ぶ訳です。 やはりかなり仲良しになるらしくて、プロ野球の試合に行ったり、ドライブ行ったり、いろいろ楽しかった話をAくんから聞きました。 今回の不幸は、その兄弟会社の社員。 来月7月に2日間、2年生の研修があるので、また同期みんなで温泉に行こうと約束して。 その子からも参加のメールが来たばかりだったと。 何かもう。何と言ってよいか。 死因ははっきりとわからないけど、どうも、向こうの会社では箝口令が敷かれたらしい。 親御さんの心情を想像して泣きそうになりました。 その日は帰りもAくんと一緒だったのですが、彼は午後の記憶がないと言っていました。 記憶がない代わりに、C市の病院に一緒に通っていたときに、私が 「Aちゃんさあ、仕事がつらくて死にたくなったら、死ぬ前に迷わず会社やめなよ?、仕事より命だからね」 と言ったときのことを、何度も繰り返し思い出したと言っていました。 そうなんだ。私、そういうことを言ったのだけど、そのときはあんまり深く考えてなかったんだ。 ただ、Aくんが、私が考えているよりも真面目な子だなぁ、と気づいて、そのときの作業があんまりうまくいってないことに悩んでいるとも気づいて。何となく言ったのだけど。 何か、こんなカタチで思い出してもらえるなんて。 つらい。 ちびっこの弟が亡くなったときもそうだけど、一度も会ったことがなくても、自分より若い子が死ぬと、すごく暗い気持ちになる。 そして彼は、昨日もあんまり元気がなく。 今日、余計な心配だけど香典はどうするの、と訊いた私に 「週末の葬儀に、みんなで行こうと思います」 と言いました。 そういうメールが来るたびに、これは事実なのだと、頑張って受け入れようとしていたようです。 たぶん、現場で本当に起こってしまったことだと、心に刻むのでしょう。 とても不謹慎きわまりない発言ですが、ここ2日でAくんは、身体から発する空気がまた大人になった気がします。 修羅場というか――非日常が、彼を成長させたのか。 更に不謹慎を承知で言うが、最近やっと、自分以外の誰かが成長するのを見る楽しみがわかってきました。 成長の契機と言うには悲しすぎる経験ですが、乗り越えろとは言わない。何かを身につけてくれたら良いなと思います。 …って。 こんなふうに言うとエラソーだけど。 元気になって欲しいなぁ。 だが。 今日、彼はひとりで、社有車で遠くのお客様先に行きました。 何か、すごい心配だったさ〜。 それくらい、ぼーっとしてたので。 週末、無事に戻ってきて欲しい。 彼や、彼の同期さんたちの今後に、何かしらの形で活かされる経験になって欲しいと思います。 ...
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