阿呆的日常 主にJとかプロレスとか。
アホラレツキノウアシタ

2008年02月25日(月) やっぱり

カメ誕いわっとこう。
でも、カメが中丸さんに恋してて、イニさんが中丸さんを愛してるもんだから、
こんな話にしかならない誕生日。


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きみがいない。




携帯を見ても、彼の名前は液晶に浮かばない。
0時、1時、2時、3時……
おかしい。
どうして。
音が鳴らない。
2月23日、俺の、生まれた日。
祝ってくれと言わなくても、彼は俺に必ず。



「自惚れんな」



冷たい声を思い出した。
いや、勝手に冷たいと思った。
俺がちょっとイラついて、彼にあたったとき。
それでも彼が笑って、俺に飴を放り投げた、そのとき。
小さな飴玉分の俺のやわかい、あったかいものが、
砕けた気がした。



「あ、中丸、俺にもちょーだい」



俺にだけ聞こえた声。
誰にも聞こえた声に、彼は反応する。
どれがいい?なんて嬉しそうに聞いて、放り投げた。
俺だけの、と思ったのに、それは簡単に覆されて、
やわかいものが、あったかいものが、砕けてトゲトゲに
なってしまった。



「俺、こないだウマイ店見つけたからさ」



当たり障りのない、他愛のない話題も、何もかも、
耳に入る音が痛い。言葉がつらい。
田口の声、聖の声、上田の声は入ってこないのに、
誰かの声だけが痛くて、彼の声がつらくて、俺は、
ガリガリと口に含んだ飴玉を噛んだ。
舌先が、痛い。



「今度行こうぜ」



あぁもしかしたら。
彼は行っているのかもしれない。
誰かと一緒なんだろう。
だから、俺にメールなんて、電話なんて、しない。
俺の誕生日だってわかっていても、きっと。
気を遣うひとだって、知ってる。



♪♪♪



ごめん。
嬉しいけど、嬉しくない。
誰からメールが届いても、誰から電話がかかってきても。
返事は、あとでする。
どんな音が鳴っても、彼からの言葉は届かないんだ。
だって、いつも、俺の生まれた日を、祝ってくれたのに。



♪♪♪



4時、5時、6時、7時……
時間はどんどん過ぎていって、俺は待っているのが
とてもつらくて、携帯の電源を切った。
バカみてぇ。
自嘲気味に自分に言って、溜息を吐いた。
何を待っているんだろう。



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誰かが言ったように、俺は自惚れていたのかな。
彼は俺のことが、とか。
彼は俺のために、とか。
彼は俺だけに、とか。
でもその分、寂しい気持ちだって抱えているのに。
そう、思うことが、自分を保つ術だったのに。



♪♪♪



日が変わる。
もういいかげん携帯の電源を入れた。
仕事の連絡だって入っているだろうに、俺も大概
バカだと思う。
電源を入れて、メールが受信される。着信と留守電。
いやだ。



雪だるま、とけちゃったよ。



その言葉は、まるできみがいなくなるようで、俺は
雪よりも冷たい涙を流した。
長い長いメール、誰かにばかやろう呼ばわりされながら
雪だるまを作ってクール便で送ったとか、とかさないように
頑張ったとか、小さくなっちゃったけどプレゼントしたかった
のにとか。



誕生日おめでとう。
カメの誕生日が来ると、もうすぐ春だなって思う。



涙の粒の分だけ、やわこくて、あったかく、なった。




オハリ。


き あ ぬ