阿呆的日常 主にJとかプロレスとか。
アホラレツキノウアシタ

2004年08月04日(水) にんじん。(70000hit御礼)/あはははは/週プロ。

にんじん。(トッキュー 嶋本と真田)


「おねーさん、おねーさん」
「どーしたの、嶋本くん」
「あんな、ちょっと聞きたいことあんねんけど」
隊員たち全員が昼食をとり終えた食堂で、嶋本はカウンター
越しに賄いのオバサンに声をかけた。
「にんじんてどうやったら食えるんかな?」
「嶋本くん、にんじんダメなんだっけ?いつも残さず綺麗に
食べてるじゃないの」
「それはおねーさんのご飯がうまいからやん」
上手ねーとケラケラ笑う彼女へとずぃと近づいて小声で嶋本
は言う。
「あーいや俺やなくて、ダメな人が知り合いにおるねんけど、
どーにかして食わせたいっつーか、にんじんて食えた方がえぇ
やんな。栄養もあるし」
しどろもどろで答えれば、彼女は含み笑いを浮かべて言った。
「彼女がにんじん嫌いなんだぁ」
「ちゃいます!ちゃうねんけど!」
真っ赤な顔をして否定をしても、それは肯定の意味として
彼女には伝わってしまう。
「ウチの娘もにんじんダメだったんだけど、これだけは
食べるから、それの作り方教えようか」
小さな声で返事をしながらも、嶋本は藁にすがるような思いで
彼女が言うレシピをノートに書いていった。




パーフェクトな人だと思っていた。
何もきっと敵わないと感じていた。
でもどうしてこんな可愛い『ダメなもの』があるんだろう。




オフの日、嶋本は一人でこっそり買い物に出かけた。近場の
スーパーで必要なものをカゴに入れる。
薄力粉、ベーキングパウダー、砂糖、重曹、卵、牛乳、そして
肝心のにんじん。
サラダ油は食堂にあったなと思いながら嶋本はレジに入る。
お金を払い、基地に戻ればうっかり真田に遭遇してしまった。
「嶋本……珍しいな。一人なのか?」
しかも基地に住み着いた犬と真田は遊んでいる。
「わ、え、と、ハイ、ちょっと一人で買い物行ってました!」
妙に緊張し、姿勢を正してしまう。嶋本は子供の頃、近所の
シェパードに追いかけられて以来犬が大の苦手なのだ。
(その家の柿の実を取ろうと壁によじ登り、バランスを崩して
敷地内に落ちてしまって番犬のシェパードに追いかけられたの
だから自業自得なのだが)
「何買ってきたの?」
嶋本に向かって大きな犬を抱きかかえながら真田は近づいて
くる。買ってきた袋の中身を見られるわけにもいかないし、
犬が近づいてくるしで宿舎に向かう足がどんどん遠のいて
しまう。
「何だってえぇやないですか!」
振り切るように嶋本が言うと、真田の足がピタリと止まった。
「……そう」
途端聞こえた声音と表情に嶋本は罪悪感でいっぱいになる。
だが、それもほんの一瞬で真田はいつもの表情に戻っていた。
「おつかれ」
「……おつかれさま……です」
背中を向けた真田の足元に犬が下ろされる。犬は嶋本を見て
そして真田の顔を見上げた。
嶋本はいつもよりも大股で歩き、真田の横を通り過ぎる。
胸中に浮かんだ罪悪感を掻き消すように、手にぶら下げていた
スーパーの袋を胸元に抱え込んだ。
確かに隠していなきゃならないことで、黙って食べさせて
驚かせてやりたいことで、言いたくないし、ここでバレたら
どうしようもないことなんだけれど。
「あ、あの!」
真田が僅かに見せた表情をそのままにしておくことがとても
じゃないけれどできない気がする。
これはあくまで嶋本が本能で感じていることなんだけれど、
今真田をこのまま放って宿舎に帰り、食堂を借りてオバサン
に教えてもらったものを作ったとしても、きっと食べてもら
えない。
たぶん自分も『ダメなもの』のカテゴリに登録されてしまう
かもしれない。
「何?」
しゃがみ込んで犬と遊びながら、振り返った嶋本を見向きも
せず真田は言葉を返す。
「今日、これからケーキ作ろう思てるんです!」
「へぇ」
どうでも良さそうに相槌を打つ真田に宣戦布告のように嶋本
は言った。
「隊長のためにです!できたら呼びに行きます!絶対食うて
下さいよ!」
嶋本はそう言い放ち、ぜぇぜぇと救難活動でもしないような
息切れをしながら宿舎へと走っていく。
その背を真田はきょとんとした顔で見ていた。




あかん。
よぅわからんけど、あかん。
もう、俺があかんて。



何度もそんな言葉を呟きながら、嶋本はノートを広げ、
教えられた通りに手際よく材料をカタチにしていく。
可愛い『ダメなもの』を持つあの人に、自分がダメになり
そうなそんな気がして、にんじんをすり下ろしながら少し
指先を擦ってしまった。
「アホ」
血も出ない程度の軽い擦り傷を舐めたらにんじんのほろ
苦い味がする。
「平気やろか」
オバハンは焼けば苦味は飛ぶから大丈夫と言うてたけどと
嶋本は生地にすり下ろしたにんじんを入れた。
「あとは焼くだけや。えーと、焼いてる間にコーヒーとか
淹れとこか」
焼く時間は予想よりかかって、コーヒーはすっかり酸っぱく
なってしまっていた。
嶋本が作ったのは『にんじんケーキ』。にんじん嫌いな人
でも食べられると太鼓判を押されたもの。
果たして真田は食べてくれるのか、不安を抱えながら嶋本
は宿舎へと走って行った。
形を崩すことはできず、味見もしていない。果たして本当に
にんじんの苦味が飛んでいるのかもわからない。見た目は
焼き目のついたオレンジ色で、見る人が見れば簡単に中に
にんじんが入っているとわかるのではないだろうか。
不安だ。
不安で仕方ない。
けど。
でも。
食わせなあかんし。
いや。
食わせたところで。
あー。
その前に食うてくれるんか?
食いに来てくれるんやろか?
嶋本は足を止める。そして元来た道を戻り出した。食堂に
入り、包丁を手にして、にんじんケーキに包丁を入れる。
六つに切り分け、その一つを手に掴みまた走り出した。
焼き立てのケーキは熱い。落としてしまいそうだ。
だから早く、どうにかして早く。
真田の部屋の前に辿り着いて、嶋本は大声で真田を呼んだ。
「隊長、えぇですか!?」




続く。
※終わらなかった……


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真田と跡部がペア!?
どうでもいいけど、声出して笑いました@アニメ次回予告。
そう来るとは思わなかったけど、別件でワタクシ、相当
萎えてたので少し救われた。
こんな女じゃ勃たねぇよなノリ。勃たせたくもない。
なんつーかさ……正直ヤです。イヤとも言いたくない。
ヤです。

トッキューの新キャラに救いを求めていようと思う。


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はぁ……
プロレス見に行きたいなぁ。


トッキューには素敵眼鏡キャラ登場でした。
と き め い た !!


でもプロレス見に行きたいなぁ。
ていうか、29日マグナムお台場冒険王出たのかよぅ!!
13日は福井?とかで大会あるからレギュラーメンバーだけ
なんだろうなぁ。


耕平、火祭り初優勝おめでとう!!


とりあえず夏コミでちょろりとしたものを出すことにした
のでその準備します。(と言っても無料ペーパー)


き あ ぬ