よるの迷走日記
DiaryINDEX|past|will
『天国の本屋 恋火』をビデオで頑張って観る。 何故「頑張って」かというと途中で何度も寝てしまい 慌てて巻き戻したから。 そこまで頑張らなくてもと自分でも思ったが、 eiga.comが『四日間の奇蹟』の初週に 「ベストセラーを映画化して大コケ。松竹の失敗の二の舞か。」 と辛らつなコメントを寄せていたのでかえって気になって。 何やら東宝ばっかりヒット作に恵まれてる昨今である。 負けるな!他の映画会社!! キャストはきちんと豪華。竹内結子を主演に迎え、 男優だって獅童よりはイケメン(だと思う)。 脇を原田芳雄、香川照之など渋ーいメンツが支えてる。 花火の映像も綺麗だった。 が、いかんせん面白みに欠ける。 つーか「オーケストラをくびになったピアニストが生きてるのに 天国の本屋でバイト」っていうあらすじ紹介がどうだろう。 これで「へー、面白そう!」って思うか?どんな話なのって 興味持つ人はいるかもしれないけど。 『天国の本屋 恋火』って並列なタイトルもどうかと思う。 どっちがメインなのよ。題名の訴求力をなめちゃいけません。 「死んだ恋人を想って世界の中心で愛を叫ぶ」 「死んだ妻が雨の季節に今、あいにゆきます」 「電車で出会った女に恋をする男」 「皇帝ペンギンの子育て」……ほーらわかりやすい。
作中の説明が大雑把なんだこれがまた。 人間の寿命は百年きっかり、死んだ年のまま残りの寿命を天国で 過ごす。天国はお金もなく妙にのんびりした世界。 恋愛もできるが子供はできない。 主人公は「わけわからん」と呟くばかり。追求しろよ! 「俺の祖父ちゃん102で死んだ。どうなってるんだ。」 というもっともな疑問も、ごにょごにょと説明されて流されちゃうし。 人口とか経済状況とかどうなってるんだろう。 やたら子供や若い人が多いのも気になる。小さい子供達は誰が面倒 見てる訳?赤ん坊は百年おしめしてるのか。 死んだ年のままなら本当はもっと爺婆の比率の方が高い筈。 ついでにヒロインが事故による耳の後遺症を引きずってるってことは、 ボケ老人はボケたまま天国で暮らすのか。誰が介護すんの。 病気を苦にして自殺した人はまた病気と戦うのか。 ご飯食べたりコーヒー飲んだりしてるけど、生産者がいるのか? みんなプラプラしてるように見えるが。 もしかして神様が汗水たらしてやってるのか。
大のおっさん達が「この設定わかりにくくないですかね。」 「大丈夫でしょう。ファンタジーですから。」 で片付けちゃったんでしょうかねぇ。おとぎ話すぎる。 「で、本屋はこれで置いといて、このままじゃちょっと薄いなぁ。」 「じゃあこっちの花火のエピソードも入れましょうか。」 「おっ、いいねぇ。」 かくしてシリーズ物の1話と3話をミックスした映画の出来上がり。 『天国の本屋 恋火』という、何が言いたいのかよくわからない タイトルの完成につながったのですね。
|