よるの迷走日記
DiaryINDEXpastwill


2004年08月08日(日) 私の耳が悪いのか?

今日は『嗤う伊右衛門』を鑑賞。
かなり映像化としては成功作だと思います。さすがニナガワ氏。
全編に漂う官能性にくらくらしました。
美術がすごい。仮屋崎さんの大作かと見紛うばかりの
悪党与力の部屋の大掛かりな生け花、対照的に枯山水のように
生命感のない庭。異様さが目一杯出てます。

美とは対照的ではあるものの、いかにも行き倒れから
剥ぎ取ったように汚らしい又さんの衣装とか、
蛇も鼠も伝染病もばんばん湧きそうな水たまりや堀、
沼の多い「江戸」の風景にも力入ってます。
どんなに原作がそっけなく描写してるところでも、
映像では雄弁にならざるを得ないわけで、監督の苦労が忍ばれます。
二人のラブシーンでも似たようなこと感じたなー。
原作では結構口喧嘩ばっかりしていたような印象しかない
夫婦ですが、映画では新婚家庭らしくいちゃいちゃしていないこともない。
喧嘩の後の仲直りなんかみてるこっちがあてられそうです(笑)。

しかし小雪さんはやっぱりでかい。鴨居に頭をぶつけそうだ。
綺麗なんだけどね。あの抜けるような色白さは羨ましい。
お岩の激しい気性の役もうまかったです。

ただ、どうしても気になるところが。
最初の登場では唐沢さんの片手にずっしりと重そうだったややが、
「半年後」には両手の中にすっぽり入るほどというのは(笑)。
原作を知らないうちの母は
「何あれ、下の子?三ヶ月児くらいだよあれ。」
と、申しておりました。
台詞も原作を知らないと辛いかも。日本映画ってどうして
こんなに聞き取りにくいんだ!字幕ないし。


よる |MAILHomePage