よるの迷走日記
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今日は『嗤う伊右衛門』を鑑賞。 かなり映像化としては成功作だと思います。さすがニナガワ氏。 全編に漂う官能性にくらくらしました。 美術がすごい。仮屋崎さんの大作かと見紛うばかりの 悪党与力の部屋の大掛かりな生け花、対照的に枯山水のように 生命感のない庭。異様さが目一杯出てます。
美とは対照的ではあるものの、いかにも行き倒れから 剥ぎ取ったように汚らしい又さんの衣装とか、 蛇も鼠も伝染病もばんばん湧きそうな水たまりや堀、 沼の多い「江戸」の風景にも力入ってます。 どんなに原作がそっけなく描写してるところでも、 映像では雄弁にならざるを得ないわけで、監督の苦労が忍ばれます。 二人のラブシーンでも似たようなこと感じたなー。 原作では結構口喧嘩ばっかりしていたような印象しかない 夫婦ですが、映画では新婚家庭らしくいちゃいちゃしていないこともない。 喧嘩の後の仲直りなんかみてるこっちがあてられそうです(笑)。
しかし小雪さんはやっぱりでかい。鴨居に頭をぶつけそうだ。 綺麗なんだけどね。あの抜けるような色白さは羨ましい。 お岩の激しい気性の役もうまかったです。
ただ、どうしても気になるところが。 最初の登場では唐沢さんの片手にずっしりと重そうだったややが、 「半年後」には両手の中にすっぽり入るほどというのは(笑)。 原作を知らないうちの母は 「何あれ、下の子?三ヶ月児くらいだよあれ。」 と、申しておりました。 台詞も原作を知らないと辛いかも。日本映画ってどうして こんなに聞き取りにくいんだ!字幕ないし。
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