よるの迷走日記
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2003年12月16日(火) サムライ入道


母とその友人が『ラストサムライ』を観に行くというので
コブのようについて行った。映画館に主要4人のポスターが
貼ってあり、「真田広之は、足利尊氏みたいねー。」
と思っていたら本当に古武士みたいな役だった。
真田氏はこの映画のために三谷さんの舞台の再演を諦めたり、
大変だった割には意外にも渡辺謙の方が圧倒的な存在感な上
重要な役どころで、失礼ながらちょっと気の毒に思われた。
間際まであんまりこの映画に関心がなかったせいなのだが。

設定としては西郷をモデルにしていると思われる謙さんの役ですが、
何つ〜か、あの感じだとこの映画を見るアメリカ人及び
一部の日本人は明治維新=農民による革命と思いそうで怖い。
謙さんは「殿」なんて呼ばれてて千年前の先祖が
地元に寺なんか建てててこれだと没落する旧領主層みたいですが、
実際の志士達は西郷も大久保も坂本だって武士は武士でも
かなり下級の層だったんだよなぁ。もめたのは廃刀令じゃなくて
征韓論だし。警官が武士の髷を切って刀を取り上げるシーンが
ありましたが、あの警官たちもたぶん運良く職が見つかった
氏族階級がほとんどだったのではあるまいか、と思ったり。
あそこまで露骨なことはしなかったんじゃないですかねー。

サムライ・スピリットを賞賛してくれるのはまあいいのですが
実際幕末の長州だって薩摩だって外国からばんばん銃だの
大砲だの買ってたんだし、そもそも種子島伝来は何年だと
思ってるんだー!弓と刀で鎧兜着て、っておいおいおい。
大体日本刀は切るもんなんだってば、刺したり突いたりしないでくれ〜。
雪深く峠が閉ざされる山里の割に雨ばっかり降ってる、とか
突っ込みだしたらキリがないんですが面白かったです。
ええもう謙さんにしびれちゃいました。
同行者二人はすすり泣いてました……。途中でトイレ退席しといて。


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