ステレオタイプ - 2003年10月20日(月) 「りさちゃんが結婚することに」 と上の妹が言う。学部の時に私も何度か会ったことがある彼女、今時ちょっといないくらい善良な子なのになぜだか男性の趣味だけが著しく悪かった。とうとういい人に巡りあったのねと思ってほっとしつつ「良かったね、どんな人なの」 と尋ねると、少し言いにくそうにしている。 前に聞いた、「お前のような○○大の女が東大の俺を馬鹿にするな」 とか怒った銀行マンじゃないよねえ、と確認すると、「いや、その人なんだけど……」。 何なんだそれは、どうしてそんなことになるのかと思って呆れ返りながら不安になる。しかも彼はつい最近まで社内で二股をかけていて、もう一方に振られたので彼女にプロポーズしたらしい。 「りさちゃんは、その人のどういうところがすきなの?」 「…………目が大きい所、かな!!」 「それ、本人が言ったの? 推測したの?」 推測しただけ、と妹が笑う。そうでなければ色が白いところかなーとうそぶくので、推測じゃなくて事実に基づいてしゃべってください、と私は冗談交じりに問い詰める。 「本人にのろけ話とか聞いていれば、どういうとこに惹かれているのかわかるでしょう?」 「うーん。東大卒なところ。…これは本当だよ。りさちゃんは、ほんとにステレオタイプが好きなんだよ。信じられないくらい好きなんだよ」 電話越しの妹の声が真剣になるので、眩暈がしそうになる。 婚約指輪はティファニーで、プロポーズはお台場の観覧車の中でその後フルコース食べて、結納は帝国ホテルの一室を借り、もちろん本人たちは振袖・袴姿で他の家族も皆お着物で……と続けるので、ついに耐えられなくなって「…どうしてそんな安っぽいステレオタイプを」と洩らしてしまう。 りさちゃん、なんでもいいから幸せになってほしい。聞けば聞くほどもの凄く心配になる。「その人、結婚したらきっと浮気するんじゃ…」 ぐったりしながらつぶやくと、妹は「そっちに百万円くらい賭けてもいい、だって本当酷い人だもん」。賭けにならないよ、とわたしはため息をつく。 -
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