夕暮塔...夕暮

 

 

でも今も - 2003年05月19日(月)

「どうして、電話、くれなかったの?」 拗ねた声が電話の向こうでねじれかかっている、「ごめんね、鷹男さんとのとの出発前最後の蜜月だろうから、お邪魔かなって思って」 「そうだったんだあ…」 寂しそうな返答、何だか申し訳なくなってくる。少し弱っているんだろうか。「見捨てられちゃうような感じがした?」 「したよお…」 
茶化してはいるけれど、かなり本気なんだろうな。あのね、鷹男が乗る飛行機が決まったの、と伝える声はひそやかで暗い。彼女が十代の頃から付き合い続けてきた恋人は、再就職のために今週末香港に向かうことになっている。いつ帰ってくるのかもわからない、最低三年という期限だってあてにならない。船出という言葉を連想するような旅立ち方かもしれない、再び戻ってきて定住するかどうかもわからないけれど、とにかく彼女は彼の成功を祈って送り出すのだと言う。彼はもともと外国を転々としながら生まれ育った人で、悪い意味ではなく特定の国への帰属意識が薄いのだと思う。



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未来など約束できないでも今もあしたもあなたのことを好きです




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