てのひらの - 2003年04月25日(金) てのひらの上にのるような煩憂を抱きしめて春は暮れてゆくのに **************** ****** *** * この間、ごめんね、代わってくれてありがとう。なんかお礼言うのも思いつかないくらいダメになってて。 PCに向かいながらの彼女は白い首を傾げてかすかに笑うけれど、どう見ても本調子じゃない。ぎこちない笑み。電話対応の声の調子が冷ややかで、少し痛々しくなる。使う言葉はあんなに丁寧なのに、音が冷たいのだ、ぞっとするほど。 「大丈夫です、いいんです、わたしは。…大変でしたね」 この人に上手な言葉をかけようと思っても、多分うまく響かない。だから可能なかぎり誠実に、率直に、少しくらい拙くてもそうしようと思っている。 「さっき薗田さんに言われちゃった。ストイックなのはいいけど、自分を大切にする方にもっとストイックになってもいいんじゃないって。本当に、そうだと思って…」 -
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