夕暮塔...夕暮

 

 

風光る日 - 2003年02月27日(木)

風光るこんな日にさえ君の手を暖める事もできないでいる




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「先生、手、あったかい」
別れがたい。校門の前、空はいっそ鬱陶しいほど澄んで眩しい、強風が私のマフラーをほどいて、彼女がそれを巻き付けてくれる。言葉がうまく出なくて、その手を取った。
…大丈夫だから、絶対、大丈夫だからね。我ながら拙いと思いながら伝えると、見つめたその瞳がじわりと水を含んでかすかに赤くなっていくのがわかった。1人でないと泣けないこの子は、多分私と別れた後どこかで泣くのだ。そう思うとますます別れられなかった。強がりばかりで本当は今にも崩れそうに脆い、こんな子まで受験戦争の波が平等に飲みこむのは、それを避けて通れない所に行きたいと彼女自身が望んだからだ。せめて祈るように手を包む、幼さの残る無言の掌は柔らかいのに、凍えたように冷たい。


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