愁雨 - 2002年10月24日(木) 部屋の隅でやや所在なさげに座っている少女に、長椅子の隣をはたいてここへおいでと合図すると、ショートカットの彼女がぴょんと跳ねるようにして私の隣に座る。可愛い、と心底思う。見上げてくる濡れたようにきれいな瞳、傷つきやすくてコントロールの弱いこの子を、どうしたら楽にしてあげられるんだろう。霧雨が降っている。校庭の色づいた銀杏を見下ろせば耳に響く、不揃いなリコーダーの音色。 **************** *** * 煙草の匂いのする夕方。 「…前にも、言ったけど。あんたの仕事は、残虐非道で冷酷じゃないとできないよ」 「わたしがそうだって、言いたい?」 からかい気味に返すと、彼は曖昧に否定する。 でもそうかもしれない、本当に、そうかもしれないのだ。 -
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