夕暮塔...夕暮

 

 

傘を持たず - 2002年10月16日(水)

傘を持たず歩くことにも馴れました 仰ぐビルの窓 半月が満ちる



硝子ごしに夜を迎えて風の中 月が空渡る下を歩いて




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降水量の多い雪国で生まれ育ったから、高校時代までは、季節を問わず傘を持ち歩くのが常だった。玄関を出て車に乗る前の僅かな時間、今日は雨が降るかなと朝の空を見上げた。淡い水色に美しい雲の模様、昨日と同じだなんて思った事は一度もなかった。そうやって毎朝勘で天気を読む、あの頃私の天気予報はたいてい当たらなかったけれど、また外れてしまったと友人と笑い合って済ませた。レトロな教室を出て1人で放課後の橋の上から見た鮮明な夕焼け、あんな胸の苦しくなるような光景を、わたしはあと何度見られるんだろう。あの時の感性が死んでしまったとは思わない、だけどガラスごしに夜を迎える日々が流れて、次第にそれに満足するようになっている。




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