きみに夜風を - 2002年10月10日(木) 薄紅の花揺らすような雲の下 ゆこう悠然と きみに夜風を ****************** ***** *** * もう、だめだ。 時刻はとうに深夜をまわって、明け方が近い。知らず大きな溜め息をつき、その大仰さに自分で驚いてしまった。目が霞む、デスクから立ち上がると足下がふらつく。ぐらぐらする視界を閉ざすために寝室へ向かうけれど、わかっている、この状態ではどうせ眠れないのだ。それでもベッドに身体を横たえて瞼をおろすと、わざとらしい程自虐的な言葉がいくつか脳裏をかすめた。いっその事その暗い渦に身を任せてしまおうかとも思うのに、結局それが実現しない事を、多分わたしが一番よく知っている。 そんな思いをした日なのに、夕暮れ時には何事もなかったかのように悠々と外に出る。美しい秋の空が変化するころ、虹色の花弁を透かしたような雲、風がひんやりと襟足を撫でる。買ったばかりのグレーのパンツの中で、ウエストが泳いでいるのがわかる。ああ、少し痩せたのだ。デパートで差し入れを買って、先程約束を取り付けたばかりの知人のもとへ向かう。 私はきっとしぶとくて強い、ちょっと可愛げがないくらいに。 -
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