探偵未遂 - 2002年09月04日(水) お店を出て、駅の正面玄関につながる信号は赤。「ここから入ろうか」と地下通路への階段を全員で降りようとする時、「わたし、ちょっと寄り道して帰るので…」 と、さやちゃんが微妙に不自然な別れ方でササっといなくなってしまう。こんな時間に一体どこへ、と残りの面子は釈然としない面もちで顔を見合わせる。そこで突然、既に階段をいくつか降りていたゼンショー君が「そんなもん、追いかけるに決まってるだろう」 ときっぱり言い放つと、当然のようにきびすを返して後を尾け始めた。私はその確信犯的な口調がおかしくて、笑いながら隣に並ぶ。ゆう子さんと龍田君は、「え、え、いいんでしょうか、こんな事して…」 とおろおろしながらついてくる。 夜の街をひとりで進んでゆくさやちゃんのピンク色のカットソーをずんずん追いながら、更にこのかわいらしくてたちの悪い酔っぱらいは言うのだ。 「ばかじゃねえのかあいつ、改札で別れてからこっそり行けばいいものを、あんなとこで。尾けるに決まってるっつーの」 こんな事を言っておいて、あまりに堂々と尾行しすぎた為に、彼は割とすぐに気付かれた上にいとも簡単に捲かれてしまった。こんなダメな酔っぱらい探偵、面白くて目が離せない。 -
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