濁りゆく - 2002年05月22日(水) 濁りゆくさだめにあらむか綺羅星の ひとつも今では映さぬこの目は 水音を 聞きて眠りし夏の夜の 凛と静かな枕懐かしき ********** ***** *** * このところ星を見ていない。月なら昨日久しぶりに見た、膨らみ気味の半月、月齢はいくらくらいだろうかと友人と歩きながらぼんやり考えた。それにしてもこんな生活は良くない、目が濁っていくような錯覚を覚える。きれいなものを見て心動かされたい、理屈じゃなく、むしろ理屈なんてひっくり返されるような水準で否応なしに美しいと思えるようなものに出会いたい。夏の夜に、実家で錦鯉用の水の濾過器の音を聞きながら眠った事を思い出す。さらさらと流れる水音、近い虫の声が涼やかに部屋中に広がっていた。新しい畳の香り、硝子の外に美しく濃密な夜が満ちる気配。あらゆる理屈を廃してひとりで眠る幸せを、私は確かに知っているのに。 -
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