uchie◎BASSMAN’s life

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2005年07月12日(火)
■ロンドン6日目

カーナビ−ストリートへ買い物に出かけた。
本屋に立ち寄るとUKロック関係の本がたくさん売っていて、スモール・フェイセスの本はないかと探してみたが、
スティーブ・マリオットの最近出た伝記があるだけだった。分厚い本で自分で翻訳するのは大変だろうから買うのはやめといた。

ストリートへ入ってすぐ、ランブレッタ・クロージングがある。小さい店だがオリジナルの服やバッグを売っている。
その近くにTHE FACEというモッズな洋服屋がある。
ここも小さい店だが、いろいろなモッズブランドを扱っていて、スーツも置いていた。店長は気さくなおじさんでいろいろ話しかけて来た。
僕がスティーブ・マリオットのカレンダーを買うと、
スモール・フェイセスが好きなのかい?この前イアン・マクレガンケニー・ジョーンズがここ来て、サインを書いてくれたんだよ」
と言い、僕の背後の壁に貼ってあるポスターを指差した。
振り返って見てみると、僕の部屋に張ってあるスモール・フェイセスのポスターと同じものに金色のペンで二人のサインが!
感動して体が震えた。60年代は自分が生まれる前のリアリティーのないものだが、スモール・フェイセスは今も生きていて、ついこの前ここに立っていたんだ。彼らが歩いているストリートを僕も歩いているのだ。
この店にはモッズを愛するミュージシャンがよく訪れるそうだ。
オーシャン・カラー・シーンのギタリストが来たときは帽子を買っていったそうだ。アルバムのジャケットで被っているものがそうである。その帽子と同じ物を試着してみた。かなり気に入ったがちょっと予算が足りなくて買えなかった。
僕らもバンドをやっていてライブをやるためにロンドンへ来たことを伝えると、それならサインを書いてくれと頼まれた。スモール・フェイセスのメンバーのサインと一緒に店内に自分のサインが飾られることになるとは、なんて光栄なことだろう。
またロンドンへ来たらこの店に立ち寄ろうと思った。

少し歩くとMERCがある。新しいステージ用の服を提供してくれると言っていたので、立ち寄った。まだバンドのポスターを貼ってくれているし、ここがホームグラウンドのひとつに感じられてなんだかほっとする。欲しい服がたくさんあったので迷ってしまった。メンバーみんな一着ずつシャツやジャージを貰った。東京へ返って着るのが楽しみだ。店員のみんなに僕らは明日発つのでさよならを告げると、彼らは僕らが見えなくなるまで手を振ってくれた。彼らのサポートがなければ今回の成功はなかっただろう。

その後、ビートルズの聖地、アビーロードへ。
アルバムジャケットで使われたあの横断歩道がある通り。『アビーロード』は中学1年生のときに買って何度も繰り返し聞いてきた特別思い入れのあるアルバムだ。
バスを降りると、煉瓦の塀にはびっしりとファンが書いたメッセージがあった。それには特に参加せずに、世界中からファンが来ているんだという事実を自分もバンドをやっている者として眺めた。アビーロードの曲を思い出すと、やはり並大抵ではないことをその場で感じる。
この横断歩道を彼らが歩いている姿を想像してみた。少しビートルズが身近になった気がする。