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なつぴかの日記
なつぴか
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2010年11月10日(水)
『99年の愛 Japanese Americans』

5夜連続の大型ドラマ。
この手の大作をわたしが見逃すはずもなく、全話録画して見ましたよ。
録画なのでプリウスもらうクイズの応募には間に合いませんでしたが(笑)。

日系アメリカ人1世&2世というと『二つの祖国』を思い出しますが、
橋田壽賀子の移民ものというと数年前の『ハルとナツ』を思い出します。
あれはブラジル移民の話で、今回はアメリカ。
思えば導入部が似ている。
時代の荒波の中で引き裂かれた家族が現代で再会するが、それまで辿った道が悲惨すぎて素直には喜べず‥‥。で、互いの回想を語り合う形で物語が進んでゆく。
『ハルナツ』の時はその展開でぐっと物語に引き込まれたんですけど、今回のそれはあかんかったです。
その前振り部分が長過ぎて‥‥いつまでたっても現代の老人版のおしゃべりが続く。
やっと時代がさかのぼって1世となる主人公・平松長吉(草彅剛)が登場する頃には、既にちょっぴり飽きてましたよ(汗)。
しかも舞台が移ってもまだまだ説明的なセリフは続く、続く‥‥。
アメリカでの労働事情とか、排日の動きとか、時代背景を理解するに必要な情報ではあるが、もっと簡潔にできそうな内容がまとまりなく語られる。
長吉が働きだして物語が「本題」に入る頃には既に2時間のうちの1時間が過ぎていた。

しかしこの後、長吉の妻となるとも(イモトアヤコ)が登場してからですね、物語のテンポがぐっと良くなります。
イモトアヤコの演技は初めて見ましたが、けっこうイイですね。この役にとても良くはまっていた。
容姿はイマイチだけど、気だてが良くて働き者、芯の強い昭和女性。
新天地に希望持って頑張る長吉とは良い夫婦で、二人で力あわせて荒地を開墾する姿は見ていて応援せずにいられない。
やがて長男・一郎が生まれ、優しいアメリカ人キャサリンに土地を安く譲ってもらい、優しくないアメリカ人ジェームズから嫌がらせを受けながらも、この地で強く生きてゆく長吉とともであった。

‥‥というところで第1夜はおわり。
ここまでで感じたことは、また『ハルナツ』の話になりますけど、ブラジル移民とアメリカ移民の違い。
『ハルナツ』ではブラジルの農園に家族ぐるみで雇われて農奴のように働かされて現金収入はほとんどナシ‥‥という食うや食わずの生活だったような。
アメリカの場合は、長吉が日本へ仕送りもできちゃうくらいの稼ぎがあって、その仕送りで妹二人は女学校にも行けたらしい。学費が出るくらいだから、当時の日本円で相当の額なのだろう。
頑張れば自分の畑も持てるのだし、国籍はもらえないとはいえ、地主制度で縛られていた日本よりは確かに自由と可能性のある国だったのかもしれない。

んで、第2夜。
第1夜から18年くらい経っているんだが。
ここでキャスティングに異変が起こり、長吉は中井貴一に、ともは泉ピン子に、息子・一郎は草彅剛にそれぞれ成長(?)している。
一郎の下には、次郎(松山ケンイチ)、しづ(寺島咲)、さち(川島海荷)の兄妹がいて、中井貴一以外みんな実年齢より10歳くらい若い役を演じています。
まあ、それについては下手な若手使われるよりマシなので異論はないのですが、一番違和感あったのが、第1夜であんなに純朴で前向きに頑張っていた長吉が、妙に品のいい妙にテンション低めのおじさんになっていたことです。
年とって落ち着いたとか、苦労して変わってしまったとかそういう変化とは違う、なんか「別人」な違和感で、草彅剛→中井喜一の引き継ぎは不成功であったように思われます。
イモトアヤコ→泉ピン子は違和感なく引き継がれたのに。

まあ、いいや。
ともあれ、平松ファームはあれから順調に発展し、家族協力し合ってたくさんの農作物を作っておりました(なんか手伝いの人とかもいっぱいいた)。
一郎は18歳、通っている大学で日本からの留学生しのぶ(仲間由紀恵)と出会うのです。
んで、二人は惹かれ合ってゆくのでした。

おりしも日米関係は緊迫した状況、アメリカ国内では日本人への反感が高まりつつありました。
以前からあった差別に拍車がかかり、店では物を売ってくれないし、道を歩けばからまれる。
特に女の子は心配だということで、しづとさちは日本の親戚の家に避難させられることになるんですが。
これって未来を知る者から見れば究極の選択ですよねー。
差別三昧のアメリカと、これから地獄を見る日本、住むならどっち?

しづとさちが乗るのと同じ船でしのぶとその両親も日本へ帰国することになっていた。
しのぶを愛していながら今後のことを思うと引き止めることができない一郎。
そんな兄を叱咤する次郎、「しのぶさんを日本へ帰しちまっていいのか〜!」「おまえに何がわかる〜!」と兄弟で殴り合い。
‥‥何が快感って、この古くささがたまらんです、橋田壽賀子ドラマ。
男同士腹割って判り合うシーンが取っ組合い&最後は二人で大の字になって草っぱらに寝転ぶ。
うう〜〜ん、いいですねえ〜 クセになりそうですねえ〜。70年代青春ドラマ、森田健作の世界?

それはさておき、港から日本行きの船に乗り込み、家族に別れを告げるしづとさち。
この涙の別れの一方で、同じ船内にいるしのぶは着々と船脱出の準備を進めていた(すげー)。
一度は出航するものの、船から海にダイビングして一郎のもとに泳いで戻ってくるという離れ業を演じる(一応パスポートはビニールに入れて濡れないように携帯してたけど、きっとスタンプはアメリカを出国したままになってるんですよね? 不法に再入国したことにはならないのかな‥‥)。
平松家に身を寄せたしのぶは家族同様に迎えられ、実質上、一郎の嫁として遇されファームの仕事も頑張るようになるが、長吉だけは「お嬢様育ちに農家の嫁が務まるか」と認めようとしません。
この反対の仕方も、なーんかヤなかんじですよね〜。
作業を手伝うしのぶに給金を渡して他人であることを強調するなど、どこかイヤミたらしくて。

一方、島根の長吉の実家では、いきなりアメリカからやってきた二人の姪の処遇に困っていた。
この頃すでに日本は食料も配給制でかなり苦しかったから、もとから貧しい平松家ではかかえきれず、嫁に出た二人の長吉の妹(杉田かおる、ふせえり)がそれぞれ一人ずつ引き取ることになる。
引き裂かれるしづとさち‥‥!はいいんだけど、その行く先が沖縄と広島というあたり、着々と悲劇への準備を進めるのが見て取れるわかりやすい脚本です(笑)。
んで、この二人には引き取られた先で更にわかり易いイジメが待ってるわけなんですが。
ごく潰しということで叔母一家には冷遇され、アメリカ国籍ということで学校では集団暴行にあい‥‥。
橋田壽賀子脚本にはあまり詳しくないけど、なんか割と女性の描写が善玉と悪玉ハッキリしてません?

えー、ともあれそんな折、日米はついに開戦。
日本国籍で日系人の中心的人物とも親しかった長吉はFBIに拘束されてしまいます。
そして残された一郎達家族も日本人強制収容所に送られることに。
いきなり1週間で財産を処分しろと言われても土地も家もアメリカ人に安く買い叩かれるしかなく‥‥。
で、列車とバスに揺られ揺られて連れてこられたマンザナー収容所。
乾燥した大地にずらーっと並ぶバラック小屋。
なんというか、凄いスケール感です。金かかったドラマっていいなあ〜って感激しました。
映画か、これは。
あ、いやいや、そんなことで感動してちゃいけません。
日本人だからって、こんな収容所に入れられるなんて!‥‥と、憤るとこですよね、はい。
だども‥‥。
その件についても、「強制収容所」というと、ナチスのユダヤ人収容所をすぐ連想しちゃうんだけど、それとはずいぶん違っていてホッとした。
まーあっちはガス室併設の屠殺場みたいなものでしたから比べることに意味はないのでしょうけど、日本人収容所はとりあえず家族と一緒に住めるし、カタログ通販で買い物もできるし、学校もあるし、畑も作れるし、ガーデニングもできるし。
一種のコミュニティという感じで、みんなで協力し合って生活を改善していく様が良かったです。
下手に外の世界で差別と迫害にあうよりいいんじゃ‥‥と一瞬思わなくもなかったが、
ま、同じ敵性外国人であるドイツ系移民やイタリア系移民は収容所に入れられなかったらしいから、日系人にだけこの措置があること自体がやっぱり差別なんですよね。

この収容所で平松家と相部屋になるのが小宮太助(笹野高史)と小宮弘(中尾明慶)の父子。
父の太助は日本マンセー!な1世らしい1世。
息子の弘は一郎と同い年くらいだが、生真面目な一郎と違って明るくちょっと軽い感じが可愛い。
服装も革のジャケットなんか着ちゃって、髪型も多分本人なりにカッコ付けてるのだろう。

で、収容所生活も波に乗ってきた頃、日系人達にアメリカへの忠誠度を問う「忠誠登録」がつきつけられる。
よーするに「米軍に入って戦争できますか?」という問いですが、これまた究極の選択ですね〜
YESと答えて戦地に行くか
NOと答えてもっと敵っぽい扱いを受けるか。
わたしなんぞは正直「日本軍だろうと米軍だろうと戦地はやだ!」と答えたいところですが、真面目な平松家の人々はこの地で生きる日系人のため、家族のためにYESという選択をします。
また、小宮弘もYESと答えるのですが、彼の場合思想がどうのなんて理屈よりも「とにかく自由になりたかったんだよ!」というのが理由。弘らしいです。

そして後日、一郎と弘は軍への入隊が決まり、マンザナー収容所を後にするのでした。
(で、拘束されていた長吉が情状酌量で家族の元に帰ってくる)
数ヶ月の訓練の後、一時休暇で収容所に戻ってきた一郎は、しのぶにプロポース、結婚式、新婚旅行というタイトな日程をこなす。
しかし新婚旅行先のシアトルでは「ジャップめ〜」と、レストランでもホテルでも惨い仕打ちを受け‥‥。
ま、戦争中だから反日感情はあたり前かもしれませんが、でもさ、日系人は皆収容所に入ってるのに、店先や街の至る所に「ジャップお断り」とか看板立てて意味あるんだろか?(シアトル市民が妙なのか、それともドラマの演出が過剰なのか‥‥)
まー、そのようなシアトルでも優しいアメリカ人ベティに出会って、海辺のホテルに泊めてもらい幸福な時を過ごす二人。
そーいえば、優しいアメリカ人の役は、キャサリンといい、いつも老婦人だな。これも橋田ワールド?

つかの間の幸せをかみしめた後、一郎は再び軍へ戻る。
で、彼が配属されたのは422連隊という有名らしい日系人部隊(『二つの祖国』にも出てきた気が)。
厳しい訓練の後、ヨーロッパに送られたこの連隊は、山間部でドイツ軍に包囲された味方を救出するというすっごく難しい任務を与えられるのだった。
戦闘のシーンはすごく頑張ってたと思うし、それなりにお金もかかってたと思うが。
こないだ見た『ザ・パシフィック』の臨場感と迫力に比べると‥‥うーん。
なんかこう、こぢんまりというか、火力が少ないというか。
戦争の悲惨さは伝わったけど、戦争の圧倒的な恐ろしさはイマイチ伝わりが鈍かったです。
まー戦闘の種類が違うのでしょうし、ミリタリーの知識もない自分が口出すことではないかもしれませんが。
ま、ともあれその戦闘で大和魂をもって立ち向かった一郎たち日系人部隊!
が、一郎は敵の銃弾にあい、しのぶと生まれたばかりの長男・ケンの写真を握りしめ、息絶えるのでした。
うううう。

やがて日本の敗戦。
玉音放送は収容所でも流され、日本の勝利を信じていた長吉は愕然。
そして後日、畑の真ん中で自害して果てているところを次郎が見つける。
もー!
死んでどーすんのよ、両親のアメリカでの生活を守るために一郎は戦ったのに!
実際にも玉音放送聞いてこのような行動に出た人もいたみたいですが、長吉にやらせなくていいでしょう‥‥。
平松一家と相部屋だった小宮さんあたりならガンコな1世という感じでしたから、こういう最後を遂げてしまうかも知れませんが、第1話だけとはいえ主人公だった人にやらせるなー。
一郎の死とは真逆の意味で非常に残念な最後でした。

一方、日本では沖縄戦に巻き込まれたさちが、米海兵隊として沖縄まで着ていた小宮弘と偶然出会う。
一郎はヨーロッパ戦線でしたが、弘は太平洋戦線にまわされてたんですね。日系人としてはもっと辛いところですよね。
さちが自分と同じ日系二世と知り、親身になって話しかける弘。しかもよく聞くと収容所で一緒だった平松家の娘だというではないですか。
が、いじめと戦争と孤独の三重苦ですっかり心がささくれ立っていたさちは全然心を開こうとしません。
そんなさちにお菓子を持ってきてくれたり、何くれとなく気にかけてくれる弘。
こういう展開だと勝手に「この二人はLOVEが芽生えそうな‥‥」ぬあーんて期待しちまうんですがっ
でも、現代版で出てきた80代のさちは「太田さち」、小宮姓ではありません。
回想型のドラマだと最初にネタバレされてる情報がけっこうあっておもろない時もある。

しかもさちはその弘の優しさを目一杯利用だけはします。
姉の住む広島に原爆が落とされたと知るや、姉を探しに行きたいと無理を言って弘に広島まで連れてこさせ(軍用機を使ったようだ)、原爆でめちゃくちゃになった広島市内を弘運転のジープで走り回って姉を捜し、姉の収容された病院(野戦病院みたいな廃墟みたいなとこ)を探し当てたら、弘から幾らかのお金をもらって、そのまま姉を連れてトンヅラ。
「これ以上アメリカの軍服着た人の世話になんかなりたくない」って、あんた‥‥。
あんだけ親切にしてもらった人への言葉がそれかい。
入院中のしづを連れて京都に移動、街中をあてもなく歩き回って姉、昏倒。
小さな身体で姉をおぶって歩く姿は明らかに「苦労してかわいそうでしょ」シーンでしたが、全部自分が招いた結果なので「ほら言わんこっちゃない」としか感想が出てこない。
しかし、ここでまたなぜか救いの手が差し伸べられる。
姉を連れて行った病院で、先生が事情を聞いて二人を自分の家で面倒みてくれるのです。
ここの奥さん(高畑淳子)がまたいい人で。
急に現れた見ず知らずの女の子二人を家に受け入れてくれるって、心広いですよね。
こうしてさちとしづはこの家に落ち着き、奥さんのリフォームの仕事を手伝いながらさちは服飾関係の仕事を目指すようになるのであった。
そしてしづは‥‥。火傷しただけだと思われていたのだが一向に具合は良くならず、やがて髪の毛が抜け、二年後に亡くなったのでした。

そしてアメリカでは。
終戦後しばらくして、マンザナー収容所も閉鎖されることになりました。
土地も家も処分してここに連れてこられた日系人たちですから、また放り出されても帰るところはありません。
とりあえず、公共施設に身を寄せてバイトのような仕事で暮らしを繋いでいましたが、ある日、平松農場を買い叩いたアメリカ人ジェームズから連絡があり、土地と家をお返ししたいと言うじゃーありませんか。
ジェームズは平松家とは因縁の中でずいぶん嫌がらせもしてきたヤなアメリカ人だったんですが、一郎が戦ったテキサス大隊救出作戦のことを知り、テキサス出身の彼は過去の仕打ちを心から詫びてくれたのでした。
この場面に長吉もいて欲しかった。
日本は負けたけど、日系人は勝ったのよ〜長吉〜!

こうして平松ファームに平松家の人々が戻った。
再び荒れてしまった土地を一から耕して立派な農場にするのである〜

最後に残った謎は、しのぶの両親の話がまったく出てこなかったところですね。
父親が領事館勤めというくらいの情報しかなく、戦中・戦後どうしていたのかまったく語られない。
ケンはしのぶの両親にとっても孫だと思うんだが。

ま、それについてはいいや。
ふーとにかく、たっぷり5話堪能しました。
こまごま突っ込みどころも楽しみつつ、随所で燃えて随所で感動できてずっと楽しめた(第1夜前半以外)。
中途半端な連ドラ作るより年に一回くらいの割合でこの手の大作作ってくれたらいいのに。
なーんて思った5日間でした。
おしまい。