みかんのつぶつぶ
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2002年07月21日(日) 百日紅


季節は、

どんなときにも平等にやってくるものだと思っていた。



だけど、

もうこの夏を過ごすひともいないということを、

チクリと思い出し。



夕暮れの舗道に、

百日紅が花開いていることの悲しさ。



真昼の熱気が、

足元から放出されるこの時間は、

解放感と同時に妙な感傷が全身を包み込む。







どこへいってもいないんだよね。


やっぱりね。







刻み込まれたその姿を、夕暮れの空に写しだす作業に没頭する。

自分で時を止める。

ありふれた、ありきたりの、ただの夏の日を過ごすはずだったのに、

こんなにもこんなにも、

行きつくところのない感情を抱える時を迎えることになるなんて。






そう、もうあのひとはいませんよ

ゴム草履でそのガードレールをまたいでいたあのひとは、もう







引っ越そうかな。


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