みかんのつぶつぶ
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ああ 人は昔々
鳥だったのかもしれないね
こんなにも こんなにも
空が恋しい
このところすっかり梅雨空が居ついてる。
雨で外出も苦にならなくなった。どうしてだろ。
傘をさしてトボトボ歩くことが楽しい。
くちなしの花の香りは、鎌倉の街を連想させる。 湿気とくちなしの花の香りに重なり合う潮の風。
想い過る父の面影。
父を火葬場へ移送するとき、鎌倉の海岸線を伝っていった。 葬儀社の社長のご好意・・・
父に手をひかれ何度も歩いた砂浜。
磯遊び。獲れたてのウニを割って食べたときのあの汐の味。
花火大会のあとは必ず商店街にある牛乳屋さんでかき氷を食べて。
海水浴のあとは中華料理屋で冷やし中華。だけど小さい妹には酸っぱすぎて。
父の遺影を抱え途方に暮れ、ただ眺めるだけの景色だった。 季節も秋深いというのに、 休日の海岸線には人の波が絶え間なく続いていた日で。
海は、空の色を映し出しているという。
ならば空の上にいるひとの姿も、映っているのだろうか。
傘に隠れて、こっそりとそんなことを想い歩く道々。
紫陽花の花びらも、こんなに散り落ちるのかと初めて知った6月で。
* この空を飛べたら 加藤登紀子 *
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