みかんのつぶつぶ
DiaryINDEXpastwill


2002年06月28日(金) みずいろの雨

ああ 人は昔々

鳥だったのかもしれないね

こんなにも こんなにも

空が恋しい





このところすっかり梅雨空が居ついてる。

雨で外出も苦にならなくなった。どうしてだろ。

傘をさしてトボトボ歩くことが楽しい。




くちなしの花の香りは、鎌倉の街を連想させる。
湿気とくちなしの花の香りに重なり合う潮の風。

想い過る父の面影。



父を火葬場へ移送するとき、鎌倉の海岸線を伝っていった。
葬儀社の社長のご好意・・・



父に手をひかれ何度も歩いた砂浜。

磯遊び。獲れたてのウニを割って食べたときのあの汐の味。

花火大会のあとは必ず商店街にある牛乳屋さんでかき氷を食べて。

海水浴のあとは中華料理屋で冷やし中華。だけど小さい妹には酸っぱすぎて。



父の遺影を抱え途方に暮れ、ただ眺めるだけの景色だった。
季節も秋深いというのに、
休日の海岸線には人の波が絶え間なく続いていた日で。






海は、空の色を映し出しているという。

ならば空の上にいるひとの姿も、映っているのだろうか。





傘に隠れて、こっそりとそんなことを想い歩く道々。

紫陽花の花びらも、こんなに散り落ちるのかと初めて知った6月で。












* この空を飛べたら 加藤登紀子 *


みかん |MAIL

My追加