みかんのつぶつぶ
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5年後に再会できる人は、この中に何人いるのだろう・・・
毎日通う病室。 いったり来たりする病棟の廊下。 花々に囲まれた喫煙所。 行きつけの売店。 玄関横にある花屋さん。
だんだんと挨拶する人が増えてきた今日この頃。
「ずいぶんと良くなりましたね〜〜」
コインランドリーへ車椅子で行ったときに 居合わせた男性。 大腸ガンを手術したが、トイレで踏ん張ったらお腹の縫い目が裂けてしまい 緊急手術まで経験したという。怖すぎ…^^; 今日は談話室でお会いした。 点滴をひき、バンダナを頭に巻いた軽快な姿の彼を見て、驚いていた。 もうすぐ退院の予定だという。
昨日、素敵なプレゼントを下さったOさん。 泌尿器科の患者さんだ。 病状の詳細は聞いていない…というか ほとんど寝ていらっしゃるばかりで お話しする時がない。 食事になると看護婦さんに起こされ ベッドの上ではなくて 車椅子に座り、テレビ台のトレー(?)に食事を置き、テレビに向かって食べている。 ベッドの上なら向き合うことができるのに いつも背中をこちらに向けて食事をしている状態なのだ。
その様子を見て
「ん?パソコンしてるのか?」
と思ってしまった彼だった(苦笑)
そんな状態なのに、いつ見かけたのだろう 私達の歩く姿を・・・ 看護婦さんも驚いていた。 きっと、すっと目に飛び込んできたことを ササッとイメージで描くことができる方なんだね。 すごいなぁ・・・
お昼に、何か落ちた音が聞こえたので どうしたのかとOさんの側に行って見ると 梅干の入れ物が落ちていた。 どうやら梅干が好物らしいのだ。
「すみません・・・あとでお返ししますから 梅干しをいただけませんか」
ある日の朝食で、Oさんからお願いされたらしく でも彼は、残念ながら梅干しを持ち合わせていなかったので(笑)看護婦さんに伝えたのだそうだ。
「俺も長いこと入院生活してるけど、梅干しをねだられたのは初めてだ」
私は梅干しの容器を拾い、座っているOさんに合わせてしゃがみ込み、話しかけてみた。
「昨日は素敵なイラストをいただいて、ありがとうございました。とっても嬉しいです・・・ また、楽しみにしていますから描いてくださいね」
Oさんは、いやいやぁ…という風に手を横に振り
「手に力がね…ないからね…もっと力が出ればね…」
弱々しいけれど、でもしっかりと答えて下さったのだ。 嬉しかった。 何日間も同じ病室にいるのに、初めて会話ができたのだ。
今日から抗がん剤が入った。 変化は特になし。 今日のお風呂はとっても気持ちが良かったらしく
「ああ、さっぱりした。そうだ、お前も美容院へ行ってさっぱりしておいで。 ずいぶん伸びたんじゃないの、髪の毛」
坊主頭に言われちゃあ行くしかないでしょ^^;
じゃあ、お言葉に甘えて行ってこようかな、と言うと だから今日は早目に帰っていいぞというお言葉。
四時に病室をあとにして、美容院へ向かった私であった( ̄ー ̄)
カットの担当が変わったので いまいちフィーリングが伝わりにくく 軽く、手櫛で済む、動きのあるカットが好き…と解釈したらしい青年美容師は 何を思ったのか、メルモちゃんみたいな髪型にしてくれた・・・( ̄∇ ̄;) ん〜〜〜…素敵なんだけど・・・イメージ違うなぁ…(泣)
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