白馬鹿日記

2007年02月03日(土) 線維筋痛症

というワケで大杉君枝さんというアナウンサーの方が自殺してしまったそうである。まずは黙祷。
実を言うと全然知らん人である。じゃあ何でこんな事を書き出したかというと、私の大変親しい女性が同じ病を患っていたりするからだったりする。何だか文章がクドいな。彼女はオーストラリア人で、11年前にひどい交通事故にあってから発症したという。原因が分からずって今もわからないのだがとりあえず痛みを抑えるために11年間ずっと経口モルヒネに依存してきたらしい。もちろん合法的にね。使用法さえ間違えなければ比較的安全な薬ではあるのだが、とは言ってもやはりマヤクであり通常は癌、しかもある程度進行した状態で使用する薬であって例えば日本への長期滞在中など簡単に入手できない状況になって突然切れてしまった場合などにはやはり悲惨な状態になってしまう。つまりは情動失禁であり情緒不安定でありそれに加えて全身を疼痛が襲うらしい。らしいというのも無責任な話だが知ったかぶりをするワケにもイカンしね。大杉さんという方もこの原因不明で治療のメドが立たない激痛に負けてしまったのかもしれない。
で、そのオーストラリア人の女性はというと、去年までは泣きながらモルヒネを入手していたのだが今年になってから出合ったドクターの治療が効き始めて徐々にながら回復しつつある。症状が完全に消えたワケではないのだが週1〜2回の注射と経口坑うつ剤のみでほぼ通常の生活が送れるようになり、もちろんモルヒネとは完全に手を切っている。長時間の散歩や私でも音を上げるような長い階段の昇り降りが(もちろん休みながらだけど)できるようにまでなっている。彼女曰くこの11年は地獄だったとあらためて気付いた、のだそうだ。
これの何が特別なのかと言うと、あちこちのHPなどをみると発症から3年以内に治療を開始すれば、となっているページが多いがそうでないケースもあるという事だ。ただ、逆に言えば治療法が確立されているワケではないので例えば運良く発症直後から治療を受け始められたとしてもすぐ治る保証があるワケではないとも言える。3年という数字だけ見て不治ではないと書いていたページがあったのでその辺は勘違いしなほうが良いのではないかと思うが、患者自身はやはり不治ではないと信じる事が大事なのではなかろうかと。例外は良いほうにもあるという実例もあるのだ。そう考えると大杉さんの自殺は実に気の毒であり言葉もない。あらためて黙祷。


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うるま [MAIL]

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