テクノクラート。


 Past : Will 2005年03月16日(水) 


NANAの最新刊の書き下ろしがものすごいことになってます。まさか、奈々のセリフに『玉鉄』という単語が盛り込まれる日が来るとは…!…あの2001年の夏には想像すら出来なかったことです…出世したね…玉…(よよ)

『獅子の棲む国』読了しました。
西南戦争別働第ニ旅団はいいなぁ…(病)慎重すぎる上官(山縣)と、暴走機関車のような部下(山川)の間に立ってぷりぷり怒る旅団長山田顕義少将がかわゆいです。150cm未満に見上げられながら怒られてみたい…(病)お気に入り台詞は、疾風怒涛の勢いで薩軍を蹴散らす山川隊を観ての市ィの一言。

『あの猪の暴走のような隊は山川か…』山田は唸り声を上げた。

苦労性だなぁ…『五稜郭を落した男』での長州のアイドル市ィの姿はどこへ。あれから色々あったんだなぁ。山川に向かって『しっぽを振って仕えれば可愛がってやる』だって。桂(木戸)センセが亡くなったと山縣(ここもツボ)に知らされ一人泣く市ィもイイです。長州の絆は深いしね…。

山田顕義&山川大蔵は、これからも研究しがいのある人物です。書簡とか見たいですね。直筆の。

で。
次なるターゲットは医者の息子。旧幕府歩兵奉行。北走しつつついには蝦夷へ。あまりにも愛されすぎる男土方の上司。歴史小説描写では、時には無能時には厭味、司馬遼太郎にも好かれていなかった愛すべきテクノクラート、蝦夷共和国ヘタレ陸軍奉行、大鳥圭介です(長いなぁ)

大鳥さん大好きです。元々、テクノクラートが好きというのもありますが。
知れば知るほど深い人物。陸軍奉行並、部下である土方歳三との関係がもうもうすきだー!鳥歳ばんざーい!『土方、私と共に生きてくれ』って言っちゃって下さいな!

そんな大鳥さんが、五稜郭で降伏し、新政府の敵として、賊軍の将として榎本武揚らと共にぶちこまれた牢で記した、戊辰戦争の記録、『南柯紀行』
一部のマニアには『大鳥さんの日記』として愛されているシロモノです。…この日記事態、投獄され墨や紙すらおぼつかない中、文字が記されている半紙を水で濡らし絞り、薄墨を抽出して鼻紙に書いたものだというから壮絶。

ただ、内容がね(笑)期待以上のギャグっぷり!
とりあえず、こんな記事があります。漢語が交じった少し読み辛い文体なので意訳。7尺とは2mくらいです(前もって)



長いことサナダムシに悩まされてて、ここ4〜5日はトイレに行くたび4尺…ひどいときには7、8尺もあるような奴を下したりしてたんだけど、人から「ムシくだしには石榴の根っこが効く」と聞いたので、医者にもらって試してみた。
でも全然効き目がないので、やめてしまった。
後で聞いた話によると、石榴の根っこを服用しても一日くらい絶食しないと効き目がないそうだ。でも気候も不安定だし、ごはんを抜いたりしたら体調崩すかもしれないよなぁ。



サナダムシなんて大して害はないんだし、しばらくは放っておこう。




…えー!
いいのそれで!長い事悩まされてたのに!?あっはは素晴らしいよ芸人の呼吸だよ大鳥さん…

あとは、獄中の記述で。
狭いわ、暑いわ、すし詰めだわ、蚊は多いわ、うるさいわ、食べ物は少ないわ、暗いわ、臭いわ、枕はないわ、などなどと、ひとしきりその環境の劣悪さを嘆き、愚痴を書き綴った後。


この牢屋は自分が歩兵頭のときに建てたもので、今は自分の身を拘束する獄となるとは。自分より出るものは自分に帰るという理かと、一笑を催した。



つくったんだ!
自分の作った牢に入れられるあたりがもうなんとも大鳥で笑うしかないですよ。そして勿論、とっても詳しいわけですよ。途中、榎本武揚が房を移動されられる事を知り、『榎本さん、一号房に移されるのかぁ。あそこは日当たりが良いからいいなぁ』と羨ましがってみせたり。

なんて素敵な大鳥さん(病)
というわけで南柯紀行を手元に置こう計画発動です。全て読みたい…!


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