獅子鷲(寝正月)


 Past : Will 2005年01月17日(月) 


ソファでうとうとしていた岳が、ふいにガバッと起き上がったので、反対側の端に座って雑誌をパラ見していた俺は、ビックリしてそっちに目をやった。

「決めた!」
「…なにが?っていうか…寝ぼけてる…?」

俺のツッコミは無視して、おもむろにクッションを抱える。
それから、俺の腕を引っ張り、言った。

「寝るぞ」
「…寝るの?おやすみぃ」
「お前も来いよ」
「…へ? それって誘ってんの?」
「バーカ。どうしてお前の頭ん中はそうやってエロいことでいっぱいなんだ? 寝るったら、寝るって意味に決まってるだろ」
「寝るって言ったら、そっちの意味にも取れるでしょ」
「そっちの意味で言ってねぇから、寝るって言ったら寝るってことだろうが」
「…」

日本語って難しい。
しかし、機嫌が悪くなっていく様子が、手に取るように伝わってくるので、仕方なく立ち上がった。

「だいたい、ガキじゃぁないんだから、独りで寝れるでしょ…」
「うるせぇな。抱き枕は喋るんじゃねぇよ」
「…枕代わりかよ」

ぶつくさ言いながらベッドに寝転がると、添うようにゴロリと転がった岳は、俺の首に腕を回して、上目遣いでにらみつけてきた。

「黙らねぇと、安眠妨害で訴えるぞ」
「やってみろ。こっちこそ、人権侵害で訴えてやる」


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甘えてるの(病)
眠くて機嫌の悪い鷲ちゃん、我侭の限りを尽くすの巻。
ねむい…


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