代打日記(獅子走)


 Past : Will 2004年04月08日(木) 


金曜日。
いつものように、駅のロータリーの端に車を停めて。
何分かのインターバルの後、助手席に乗り込んできた岳は、何だか懐かしい歌を口ずさんでいた。

「電車の吊り公告で、『春の全国交通安全運動』ってあってさ。すげぇ気になったんだけど。ってか、昔から気になってて思い出しちまったんだけど」
「何?」
「テツトモのあの歌、文字表記にすると『なんでだろう〜』っておかしくねぇ?」
「は?」
「歌そのまんま文字にしたら、『なんでだろ〜』とか『なんでだろ〜う』とか『なんでだろ〜ぉ』になんだろうが」
「…まぁ、確かに」
「第一、『お』の口の形で音程が上がってるのに、『う〜』って伸ばすのが不自然だっての」


腑に落ちないという顔をして、自ら口を窄めて『う〜』『う〜』と発音してみている岳が何となく可愛かったので、その場で一週間ぶりのキスに及んだことは、言うまでも無い。


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