獅子鷲(旅)


 Past : Will 2003年09月16日(火) 


たたん...ととん...たたん......


 身体に規則正しく、心地よい振動が伝わる。
 座ったシートは暖かく、振動と相俟って眠気を誘う。


  たたん...ととん...たたん......


肩に重みを感じて横を見れば、頭を寄せる岳の安心しきった表情が、髪を透して見えた。少し口を開き、微かな寝息を立てる姿からは常の強気で頑固な性格は見えない。

「...がく......?」

そっと口を寄せ囁く声は、起こすまいとするかのように低い。
身じろぎすらしない岳に、走の口許は小さく綻んだ。


  たたん...ととん...たたん......


短めの前髪。漆黒の長い睫毛。今は閉じている切れ長の、大きな目。
こうして見ていると、たった一歳違いとはとても思えない。
普段からは想像も付かないが、実のところ岳はかなり可愛い顔立ちをしている、と思う。目を閉じて、改めてその事実に気付く。
走とは、出会いが悪かったせいだろうか。最初から気性の荒さばかりが目立っていたが、それさえ何よりも瞳の印象だったと知れる。
目を閉じただけでこうも雰囲気の変わるヤツも少なかろうと、走は肩を震わせた。


  たたん...ととん...たたん......


 岳は、実に気持ち良さそうに寝ていた。
 じっと見つめれば、自然瞼が重くなる。


  たたん...ととん...たたん......


 規則正しい振動。
 ほかほかと暖かいシート。


  たたん...ととん...たたん......


 走もまた、睡魔に捕らわれるまで、そう時間はかからなかった。




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実際、管理人は電車ではなく飛行機で旅に出ます(笑)


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