人恋しくて 一人も好きで
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2002年10月10日(木) コンプレックス

一昨日のノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊氏に続き、
昨日は島津製作所の田中耕一氏がノーベル化学賞を受賞しました。

分野こそ全く違いますが、
研究開発の真似事を仕事としている私には
とても嬉しいニュースです。

企業に勤めているサラリーマンがノーベル賞を受賞するなんて
かなり珍しいことじゃないでしょうか?

そしてもっとびっくりしたことには、
田中氏は修士号も博士号も持っていない
最終学歴が大学卒の人だということ。
自然科学系のノーベル賞で、学士の肩書きしかない人が
受賞したのは初めてなんだそうです。


今日、ネットでこんなニュースを読みながら、
自分自身の学歴コンプレックスを思い出しました。


一応これでも私、4年制大学を卒業しているのだから
何をゼイタク言っているのだ、と思う人もいるでしょう。

でも大学に入学したとき、
私が将来やりたいことのためには
大学院を卒業しておいたほうがいいと思っていたし、
私が卒業した学科の大多数の同級生が大学院に進学していたし、
なによりたかだか4年間の大学生活では
勉強する時間が足りないと思っていたのですね。


でも。

大学3年の4月のある夜。
実家の母から、涙ながらの電話がかかってきました。

「おとうさんが病気で…余命は2年だと言われたのよ」

母は泣きながら、そう私に告げました。
そして私は、進学をあきらめて就職することに決めました。

以前も奨学金はもらっていましたが、
それ以降、父は入退院を繰り返して働けなくなっていたので
いただける奨学金を倍額に増やしてもらい
下宿代や生活費、授業料などをなんとかやりくりし
大学生活を続けました。

実のところ、母は私に大学を中退させるつもりでいたようですが、
伯父や伯母が説得してくれたおかげで
無事大学を4年で卒業できることになりました。

ええ、自分で決めたことだからこの件について後悔していないし、
誰かや他の何かを恨んでいたりもしません。
父は大学4年の夏休みに亡くなったので、
大学を卒業する私を見てもらえなかったことだけが
唯一の心残りなだけです。


会社に入ってから、大学卒の社員も大学院卒の社員も
ほとんど待遇が変わらないことを知って驚きましたが、
それでも、時々ふっと
「大学院行ってみたかったな」
と思うことはありました。



あぁ、それにしても
大学院卒業の肩書きがなくても、
素晴らしい成果を出せる人はいるものなのですね。

いや別にノーベル賞がほしいわけではないけどさ。
他人の役に立つ、何かのブレイクスルーになるような
成果を出していきたいだけなんだけどさ。


ていうか問題は、私が単に


ダメダメ社員


だっていうことですか?

しくしくしく。


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