扉を開けると忍び込むような霧の深さで。何もかも輪郭があいまいになってぼんやりと空中に浮かぶ信号の色とか白い暗さの中から不意に浮かび上がってくるヘッドライトとか光の進む先がわかる電燈の明かりとか泣いてもいないのに、まつげにつく水滴とか。霧の夜って結構好きさ。雪の降りしきる夜もこんな感じだけどね。粒子の細かさが違うというか、湿度の差かな。日中からずっと霧かかってたみたいだったな。