赤い木の実の街路樹に鳥が1羽止まっている。どこかの誰かへ喉も裂けよと鳴いている。それを見上げる私が一人。小さな町の大きな空に緑色のヘリコプターが飛ぶ。交差点の人の真上で静かに羽音を響かせる。それを見上げる私が一人。春のきざしの青い空に飛行機雲が線を描く。空と雲とを切り裂いてチョークのような線を引く。それを見上げる私が一人。ソラとカラとが同じ文字とはいったい誰が決めたのだろう。こんなに空はにぎやかなのに。こんなに空はあざやかなのに。