Sun Set Days
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2003年01月01日(水) 今年の目標+『お客さまがまた来たくなるブーメランの法則』

 新年明けましておめでとうございます!
 2003年がみなさんにとってよりよい1年になりますように。

 そして、本年度もText Sun Setをよろしくお願い致します。


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 今年の目標は仕事でも趣味でもいくつかあるのだけれど、趣味の方ではひとつ、小説の賞に応募してみようと思っている。
 きっとおそらくいま推敲している原稿用紙200枚程度の中篇『N43゜』を送ることになると思うのだけれど、余力があればもうひとついけるかもしれない。


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 ADSLが開通して数日が過ぎ、まだブロードバンドならではのサービスをそれほど活用しているとは言えないのだけれど、それでも切り替えて正解だとは感じている。
 とりわけ、一番大きなメリットが、常時接続というところだ。
 これまではダイヤルアップだったために、接続時間=電話代の比例関係が出来上がっていたのだけれど、いまは繋ぎ放題なため、仕事でEXCELをしながらもネットには繋いでいて、息抜きにニュースサイトの最新ニュースを見たりすることもできるようになった。
 また、このDaysの更新も、一度オフラインで文章を書いてからオンラインにしてアップするという手順を踏んでいたのだけれど、いまではネットに繋いだまま、書きあがったらすぐアップすることもできる。
 後輩の話では、1話いくらか払って昔のガンダムとかを見ることのできるサイトというのもあるらしく(バンダイのサイト)、ガンダム世代としては結構心惹かれるものがあったり。
 他にも、映画の予告編やミュージッククリップなど、ブロードバンドを活用したサービスは結構たくさんあるみたいだ。
 かつて、常時接続になるとネットに繋ぐ時間が約3倍ほどになるという何かのアンケート結果が出ていたけれど、そこまではいかなくても、でも確かに増えるだろうなと思う。
 
 そしてこうなってしまったら、もうダイヤルアップのスピードには耐えられないのだろうなと思ってしまう。
 どんどん便利になって、けれども便利になった瞬間からすでにそれが基準となってしまうので、こういう進化を受容する欲求については、本当に果てがない。たとえばかつて航空機が実用化されたら船でアメリカまで行くことが道楽のようなものになってしまったように、一度便利になってしまったら、それ以前のものの意味合いは変わってきてしまうのだ。そしてもっと便利な何かを求めるようになるのだ。
 考えてみると、Amazonを利用し始めたのもそうだけれど、ネットを活用することの種類が増えれば増えるほど、依存の度合いが高まれば高まるほど、それがなくなったときの不便さや不都合さのようなものはかなり大きくなってしまうのだろうなと思う。いまでは本当に当たり前のように生活の中にネットが組み込まれているので、それがなかった頃の生活をイメージすることは随分と遠い過去の記憶をたどるようにすら感じられるし。

 そう言えば、かつて似たようなことがあったなと思う。コンビニエンスストアだ。
 まだずっと小さかった頃、元旦にはどこのお店もしまっていることなんて当たり前のことだった。けれども、いまではコンビニが開いていて、ショッピングセンターのいくつかも開いていて、元旦から何かを買うことができるということはそれほど珍しいことではなくなってしまっている。もし、いまかつてのように元旦にはコンビニさえもしまってしまうのならば、それがたった1日のことであっても、やっぱりかなり不便な気持ちを抱くのだろうなと思う。また、別にお正月期間に限った話じゃなくても、昔は24時間営業をしている店舗なんてまずほとんどなかった。けれども、いまでは10分も車を走らせれば、たいていの場合コンビニの明かりを見つけることができるようになっている。
 もうそれがないことを想像することは難しくなっている。
 もしいま仮に日本中からコンビニエンスストアが1軒残らず姿を消してしまったとしたら、いまの生活だとかなり困ってしまうだろうなと思う。

 便利になることはもちろんきっとよいことだ。
 けれども、あんまり便利になりすぎると、損なわれてしまうものもたぶんあるのだろうなと思う。
 それと引き換えに便利さを享受することを望んでいるわけではあるのだけれど。

 いずれにしても、選択肢はたくさんあるし、それは個々の人たちの価値観に拠るものでしかない。ファストフードとスローフードの対比を引き合いに出すまでもなく、それぞれの端に立っている人もいるし、その中間のどちらかよりに立っている人もいるというだけのことだ。
 そして、選択肢の前提が世代によって異なるのも事実なので、今年生まれる子供たちが成人を迎える頃には、どれだけ便利になって、何が前提になっているのだろうとぼんやりと思う。
 その新しい前提の環境の中から、いまでは想像もつかないような新しい何かが生み出されるときが来るのかもしれない。
 それとも感情は昔もいまも変わらないだろうから、新しい何かでも想像がつくようなものなのかもしれない。


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『お客さまがまた来たくなるブーメランの法則』読了。ファーガル・クイン著。太田美和子訳。かんき出版。Amazon.co.jpで購入。
 帯には「…全米全欧を代表する企業のトップたちは、なぜアイルランドのこの小さなスーパーに注目するのか!?」と書かれている。これは、アイルランドで展開されているスーパーマーケット「スーパークイン」の創業者自らによる、自社で顧客志向をどのように捉え、実践しているのかを書いている本になる。
 書かれていることは、とりたてて独創性があることでも、目新しいことでもないのかもしれない。より多くのビジネス書やハウツー物が多かれ少なかれ共通する内容に溢れているように、ここでも書かれていることは確かにその通りなのだろうなと納得することができるものばかりだ。
 けれども、理論として「こうあるべき〜」という話と、実際にそれらを活用し日々実行しているということとの間には大きな深い溝が、あるいは高い壁がある。
 本書の場合、クイン氏自身が会社が大きくなっていくにしたがって創業当時のある種の空気のようなものが薄まっていくのを感じ、それを再度会社のDNAのようなものとして重要視してもらうためにと作成し配布しているテキストが元になっているだけあって、その内容には現実味がある。規模としてはショッピングセンター9軒とスーパーマーケット19軒を展開している中規模なチェーンなのだけれど、それでもそこで運営され実現されている内容には参考にすべきところが少なくないのだ。

 たとえば、クイン氏は従業員たちは全員が現場(店舗)で、お客様の声をきくための努力をしなければならないと説く。普通の企業であれば、地位が上がるにつれて現場との距離は遠ざかっていきがちだ。けれども、そうし続けることによって、何がお客様にとって問題となっているのかということに気がつくことができる。たとえば、多くのお客様は小さな子供を連れての買い物にストレスを感じ、また子供を連れていないお客様も店内を走り回っている子供たちにやはりストレスを感じていた。そういうことを現場で見聞きし、スーパークインはまずレジ前のお菓子を撤去し、それからすべての店内に遊技場を設けた。レジ前のお菓子がなくなり、子供たちがレジ前で騒がなくなったし、さらに遊技場ではお客様はそこに子供を預け、遊ばせ、自分は買い物に集中することができるようになったのだ。
 また、不振だったソーセージ売り場を立て直すために、お客様の声を聞いて、種類を増やし、最終的には店内でソーセージを作って売るようになり好調部門へと変化させてもいる。そのときにも、対面式で販売する部分と、セルフサービスで最初からパッケージングされたものの両方を用意し、選択肢を片方だけに統一するのではなく、両方を好むお客様に対応できるようにしたというところがらしいのかもしれない。
 お客様の中には、目の前でサイズを言って新鮮なものを作ったり切り分けてくれるのを好む人もいれば、そうではなくたくさんのパッケージの中から安いものを選ぶことに関心を注いでいる人もいるのだ。
 そして、様々なことについて、お客様の声を聞きながら、ひとつずつ改善していっているのだ。

 タイトルにもあるように人であれ企業であれ、顧客志向を目指すのであれば継続的にそのお客様がリピーターになってくれるようにしなければならないと本書では繰り返し説いている。そのためにはやはりお客様の方へ近付いていき、その問題を聞き、苦情を聞き、それについてのフォローを繰り返していくことが重要になってくる。さらには、楽しく買い物をしてもらえるようなちょっとした工夫をしなければならないし、最終的にはお客様の方から気軽にいろいろなことを言えるような環境にしていくべきなのだとまで書いている。

 確かに、もし目の前のお客様が一度きりのお客様でもう二度と関係を結ばなくてはいいのであれば、やがては自社の顧客は世界中のどこからもいなくなってしまうだろう。それは牧草地を喰らい尽くして他の草原を目指す牛飼いにも似ているのかもしれない。やがては、緑豊かな牧草地は探すのは困難に、そして数は少なくなってしまう。
 そうではなくて、一人一人のお客様に繰り返し自社のファン、リピーターとなってもらうことが、継続的な発展、あるいはより高い満足の提供へと繋がって行くのだろう。牧草を食べる量を把握して、その牧草地を毎年利用し続けられるようにしておく必要があるのだ。
 そういうのは確かにそのとおりだ。けれども、自らを振り返って考えてみても忙しさがそういう顧客の方に目を向けることよりも、自社の都合であるとか、ルールにお客様の方を当てはめてしまいがちなこともやっぱり現実で、そこの部分をどれだけ顧客志向の方に意識付け、動機付けをしていくことができるのかというところが(自分自身と周囲にとって)やっぱり重要なのだろう。

 いまはお客様と直接接するところにいるので、こういう本に書いてあることもすぐに試してみることができるし、それをアレンジすることができるのもやっぱり嬉しいことだと思う。
 いろいろ考えるべきことはたくさんあり、試してみるべきこともたくさんあるのだ。


 興味深い点をいくつか引用。


 実際、「いまは我々の利益に注意を払おう。リピートビジネスはたいてい結果としてついてくる」といわれます。
 若いころの経験から、私はこれとまったく逆のことを学びました。「リピートビジネスに注意を払っていれば、おおよそ利益は自ずとついてくる」と。これが、顧客志向になるための最初のそして大きな教訓です。

      ※

「お客さまに戻ってきてもらうことを最大の任務と考えよう」
 これが「ブーメランの法則」です。お客さまが帰ってくることからブーメランと名づけました。これを深く理解していくと、この法則はアナタのビジネスのやり方を根本的に変えてしまいます。(22-23ページ)


 時間や資源が必要とされるビジネス上の決断をしなくてはいけない局面では、「この決断でお客さまが再び戻ってくることになるだろうか」と自問する習慣をつけましょう。(37ページ)


 最近、ある調査結果を目にしました。そこには、不満足なお客さまは満足しているお客さまの二十倍多く買い物でのできごとを他人に話す傾向にあるそうです。

 不満なお客さま五人それぞれが二十人に買い物中に起きた出来事を話す⇒一○○人があなたの会社についての悪い情報を聞く

 満足している九十五人のお客さまがそれぞれ一人ずつに買い物でのよい体験を話す⇒九五人があなたの膾炙についてのよい情報を聞く(104ページ)


 このアプローチのバリエーションに、とても高度な要求をする役柄をお客さまに与えることがあります。実際にお客さまが求めていると思うことよりも、ずっと高い基準を求めているように役柄を設定します。
 たとえば、私の場合、こちらに歩いてくるお客さまを国際的に有名な料理評論家、エゴン・ロネイであると想定します。彼に奉仕しているかのようにふるまいます。すると突然、お客さまに最高の接客態度で奉仕することが難しいことではなくなります。
 これらはトリックですが、不正直なことでも、ペテンでもありません。お客さまに接するときに、自分の意識を自動操縦から引き戻すことを目的とした単純なテクニックです。
 ひとつの次元でお客さまと接することを阻止する助けになります。(127-128ページ)


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 お知らせ

 今年があと364日もあると思うと、楽しみな感じです。


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