Sun Set Days
DiaryINDEX|past|will
| 2002年08月22日(木) |
Word Labo�� |
冴子:みなさんこんばんは。今日も言葉の不思議を科学する「Word Laboratory(通称Word Labo)」の時間がやってきました。
安藤教授:そのキャッチフレーズ、やっぱりあんまりよくないのう。
冴子:そうですか? それでは、いったいどんなのがいいんですか?
安藤教授:そうじゃのう……
冴子:「言葉の不思議を科学する」って私はいいと思うんですけど。
安藤教授:いやいや冴子君。こういうキャッチフレーズはもう世に溢れておる。つまり、ありふれていて新鮮味がないということじゃ。もっとこう、なんていうか……情熱を感じさせる……真夏の灼熱の砂浜のような……そんな熱く熱いキャッチフレーズが必要だと思うんじゃな。つまりまあ、インパクトの強いやつじゃ。
冴子:はぁ。
安藤教授:おっ、そうじゃ。こういうのはどうじゃ? 「言葉のアッチッチ ワオ! 『Word Labo』 02夏」とか?
冴子:なんだかぴんときませんねえ。というかわかりずらいですよ。
安藤教授:「言葉のダイナマイト・ボンバー『Word Labo』」っていうのは?
冴子:それもあんまり……というかもっとありきたりだと思うのですが。
安藤教授:しょうがないのう。まったく、冴子君はわがままじゃのう。そんなことだから「冴子君の恋人募集コーナー」への応募が少ないのじゃぞ。もっと笑わないといかん。人間笑ってないとだめじゃ……キ、キ、キェーッ!!
冴子:きゃっ。き、教授? どうされたんですか……いまちょっと心臓止まりそうになるくらいびっくりしましたけど。
安藤教授:私の田舎に伝わる、素直に笑えるためのまじないじゃよ。いま冴子君にかけてあげたんじゃ。
冴子:え……? いまのがですか?
安藤教授:そうじゃ、このまじないで笑顔も戻るし、髪も若返る。車についた小さなすり傷も見事に消えてしまうのじゃ。
冴子:最後の2つは関係ないと思うのですけど。
安藤教授:まあ、これで少しは冴子君にも笑顔が戻るじゃろう。
冴子:(気を取り直して)さて、みなさんの会話の最後につく「語尾」。それによって同じ言葉でも大きくイメージが変わっていってしまいます。そこで、今回われわれ「Word Labo」では、いくつかの語尾で言葉の与えるイメージがどのように変化するのかを検証してみようと思います。それでは教授、お願いします。
安藤教授:ケ、ケ、ケケェーッ!!
冴子:きょ、教授?
安藤教授:いまのは私の田舎に伝わる、集中力を増すためのまじないじゃよ。テレビの前の視聴者の皆さんに、これから番組を集中してみてもらおうと思ってかけてみたのじゃ。ほら、最近「ながら族」とか多いじゃろう。このまじないで、みなテレビだけに集中できるはずじゃよ。このまじないをかけると集中力が増すし、タンスの裏などの狭いところにある埃も見事に取れるようになるのじゃ。
冴子:最後のは関係ないと……それにしても、教授の田舎っていったいどんなところなんですか?
安藤教授:まあ、とにかく、いま冴子君が説明してくれたように、言葉の語尾だけで相手に与える印象は大きく異なってくる。だから、視聴者のなかにも語尾を変えることによって様々なイメージを使い分けたいと思っている人は多いはずなんじゃ。それに、我々の「わくわくウォッチング調査」でも、いまスタイルごとに使い分けたいものとして、眼鏡の次に語尾がきているくらいなのじゃよ。つまり、仕事のときと遊びのときのメガネは違う方がオシャレだし、仕事のときと遊びのときの語尾も違う方がオシャレというわけじゃよ。 流行に敏感ないくつかの女性誌でも、「これからは東北系の語尾がカワイイ!」とか、「秋の語尾5つのスタイル別使い回しテク」「絶対動物系語尾宣言☆」などの見出しがつけられておるのを見たこともあるじゃろう。まさに、いまブームがはじまろうとしているわけじゃ。
ただし、メガネは失敗してもちょっと笑われるくらいですむが、語尾は失敗すると変わり者の烙印を押されかねん。そこでなかなか新しい語尾を試すのに躊躇してしまうという人が多いということもわかった。そこで、我々「Word Labo」ではいくつかの語尾を実際に使ってみて、そのときの感じを見てもらいたいと思うわけじゃ。
冴子:それでは、さっそくVTRを見て行きましょう。実際によくあるシチェーションに新しい語尾を巧みに織り交ぜている様子をご覧下さい。
語尾� 屐舛瓦兇襦弖�
(VTRはじまる。ある高校の校庭。2人の坊主頭の野球部員が、夕日に照らされたグランドを一緒に歩いている。2人のユニフォームは汚れており、居残りで自主練習をしていたのが終わったところだ)
A夫:……なあ、いよいよ来週から大会だな。
B介:そうでござるな。
A夫:一回戦からA高と当たるなんてホント俺らってついてないよな……最後の夏だっていうのにさ。
B介:何を言うでござるか! 勝負は諦めたときが負けでござるよ!!
A夫:……ごめん、俺、なんか弱気になってたよ。サンキュ。
B介:いいんでござるよ。
(VTR終わり)
冴子:……。
安藤教授:(泣いている)せ、青春じゃのう……。
冴子:そうですか?
安藤教授:「〜ござる」系の語尾は、地味だけれど実直な人柄を強調したいときに使用するものじゃ。「〜ござる」系の語尾を用いると、一つの目標に向かって着実にがんばっている、といったような印象を与えることができる。いまのVTRでも、B介君のそういうところが感じられたことと思う。
それでは、次の語尾にいくとするかの。
語尾�◆ 屐船吋蹇弖�
(VTRはじまる。ある会社のロッカー室。制服から私服に着替えている何人ものOLたちが、化粧直しなどをしながら騒々しく騒いでいる)
A美:えー、今日の合コンの相手って、そんなにいけてんのー?
B子:いけてるって、かなり期待してていいって総務の子が言ってたよ。
A美:総務の子って、あのロングヘアーの?
B子:そうそう。
A美:あの子がそこまで自信持っているんだったら、いいかもねー。
B子:ねえ、C江はどうする? 今日の合コンいいらしいわよ。
C江:わ、私はいいケロ……。
B子:えー、何でよー、男欲しいでしょー。
C江:う、うん……でも、やっぱりいいケロ。
A美:またぁ、いつか運命の出会いが! とか信じているんでしょう。そんないつまでも夢ばっかり見ていないでさ、ほら、現代は行動力の時代なのよ。
C江:だケロ……
B子:行こうよ。ダイジョウブだって、もしかしたらC江の運命の人がいるかもしれないわよ。
(VTR終わり)
冴子:………。
安藤教授:(号泣)
冴子:きょ、教授、どうして泣いているんですか? いまのVTRはそういうのじゃなかったでしょう?
安藤教授:冴子君にはいまのせつなさがわからんのか。C江君は現代では珍しく運命を信じているのじゃぞ。1人暮らしのアパートでは小鳥を飼っていて、毎日その小鳥に話しかけているのじゃぞ。「いつか一緒に幸せになろうね」ってな。しかも、その小鳥には田舎の実家で飼っている犬と同じ名前をつけておる。 そう、「〜ケロ」系の語尾をつかうと、大人になっても、ピュアな心の持ち主であるというような印象を与えることができるというわけじゃな。
冴子:でも、最後の言葉、語尾の使い方間違ってませんか?
安藤教授:ペ、ペ……ペカラーッ!!
冴子:またですか教授。今度は何のおまじないですか?
安藤教授:相手がいちいちあげあしを取らないようになるまじないじゃ。このまじないをかけると、そういう小さなことは気にならなくなるし、高いところにある邪魔な枝も簡単に切ることができるようになるんじゃっ!!
冴子:……。
安藤教授:んー、コホン。じゃあ、最後のVTRを見ていくとしよう。
語尾�� 「〜ぴょん」系
(VTRはじまる。ブラインドさえとじられた、ある会社の重々しい雰囲気の会議室。いま、業績赤字拡大から回復を図るための役員会が開かれているところだ)
A専務:……ということで、わが社の株価は低迷を続け100円をついに割り込んだというわけだ。まさに市場の風は厳しく、楽観視はできないというところだが……何か事態が好転するような材料があればいいのだが。
B取締役:資金繰りは急速に悪化しています。このままでは、今月末に支払期日をむかえる債権が不良化し、納入がストップすることとなります。そうなってしまっては、悪循環に拍車がかかり、事態はますます……
C取締役:大規模なリストラの枠1500人に対して、希望者が初日で2600人を突破し、現在急遽慰留すべき人材を選び逆に説得に入っているところです。
D取締役:営業部は顧客の信頼を回復するために、徹底的な顧客周りを続けているんだぴょん。当社の創業精神である「前を向いて、ひたすら歩け」を実行しているということになるぴょん。もちろん、現在の状況は顧客各社も不安視していますが、当社とのいままでの関係によってなんとか契約を打ち切らないでいてくれているといった状況だぴょん。
A専務:……そうか。
(VTR終わり)
冴子:…………。
安藤教授:まさに平成不況じゃが、「〜ぴょん」系の語尾をつかうと、そんな中でも自分を見失わずに、自分のペースでやっておるというような印象を与えることができるというわけじゃ。
冴子:違う意味で自分を見失っているようにも見受けられますが……
安藤教授:さあ、今日は3つの語尾の例を見てきたわけじゃが、言葉が時代とともに移り変わるように、語尾もやはり変化しておる。今日のVTRなども参考にしながら、みなさんも自分に似合う語尾をぜひ見つけ出して欲しいものじゃのう。 それでは、今日はこの辺で、ごきげんよう。
冴子:ごきげんよう。
―――――――――
お知らせ
最近カロリーメイト(フルーツ味)をなぜか結構食べているのです。
|