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2002年06月06日(木) Word Labo� 棔悵Δ靴離蹇璽坤泪蝓次戞棔�ONとOFF』

 司会の女性アナウンサー:こんばんは。
 言葉って不思議ですよね。時代とともに移り変わる言葉、あるいはずっと変わらない言葉。
 様々なシチェーションで、まさに言葉は生きていると思います。
 そんな言葉の様々な側面にスポットを当てる「Word Laboratory」通称「Word Labo」。今日からいよいよスタートです。

 この番組を盛り上げてくれるのは、若者の現代風俗に詳しい安藤教授です。


(安藤教授登場。初老の痩せた白髪の男性。専門は現代風俗で、渋谷や新宿に現れては様々な事象を観察している。とりわけ、現代語の変遷についての造詣が深い)


 安藤教授:はじめまして。「ワード・ラボ」担当の安藤です。今日はみなさんと一緒に言葉の奥深い世界に入っていきましょう。

 女性アナウンサー:それでは、記念すべき第一回目は、「(笑)」についてです。
 たとえば雑誌やテレビ、あるいはメールの世界などで、現在ではごく当たり前にこの「(笑)」が用いられています。
 けれど、この言葉って結構新しいんですよね。まさにここ数年の間に急速に定着した言葉であるということができるのではないかなと思います。
 そこで、今日はこの言葉について検証していきます。

 さて教授、この言葉っていったいどのようにして生まれてきたのでしょうか。


 安藤教授:まあ、インターネットの発達は切り離せないじゃろうな。文字だけのコミュニケーションの中で、いかに自分の感情を相手に伝えるのか。その文字だけではもどかしい部分を、うまく補完しているということができると言えるわけです。同様の意味を持つものに顔文字なんかがありますが、これも同じですな。
 リアルなコミュニケーションでは、表情や身振り手振りがあるので口に出された言葉と意味合いが乖離していても大丈夫な例が多数あります。たとえば、微笑みながら「バカ」と言うので実際には全然逆のことを思っていることがわかるというように。ただし、文字で「バカ」とやってしまうと言葉本来の意味がそのままストレートに相手に届いてしまう。そこで、「バカ(笑)」とつけることによって、意味の強さを和らげておるんですな。

 女性アナウンサー:なるほど。確かに、文字だけだと誤解されてしまうおそれがありますよね。

 安藤教授:電話が声だけしかないため、より丁寧な応対をしなければならないのと同じことなんですな。常に言葉の受け手がいるということを忘れなければいくらでも対応の方法はあるというわけなんじゃ。

 女性アナウンサー:それでは、まず、最初は「(笑)」をつけることによって、言葉がかなり柔らかく感じられることを確認してしましょう。

(2人の背後にある大型ディスプレイの画面変わる。映像が流れる)


 脅迫状
 お前の息子は預かった(笑)。返して欲しくば、明日の午後3時までに5000万円用意しろ(爆笑)。
 さもないと、息子さんがどうなっても責任はもてないぞ(笑)。


 女性アナウンサー:あら、本当! やわらかく感じられますね。

 安藤教授:そうなんじゃ。不思議と、やわらかく感じられてしまう。もう一つ見てみましょう。


 伊藤さんへ
 突然のお手紙で失礼します。
 実はずっと前から、僕は伊藤さんのことが好きだったのです(笑)。
 まるで真夏の太陽のような君が(笑)、僕にはとても魅力的だったんです(爆笑)。
 もしよろしければ、僕とぜひ付き合ってください(大爆笑)。


 女性アナウンサー:やわらかいと言うか……こんなラブレターもらったら、絶対に断りますね私は。

 安藤教授:そうじゃな。でもまあ、(笑)をつけることによって、意味合いが変化してしまうということはわかっていただけたと思う。
 そして、私の研究では、やっぱりポイントとなるのは「()」だと思うのじゃ。たとえば、「()」がついていないとどうなるのかというのを見てみると……

(安藤教授画面の図を変える)


<例>

 佐藤:それであの人に出会っちゃったんですよ(笑)。

        ↓

 佐藤:それであの人に出会っちゃったんですよ笑。


 
 安藤教授:このように、やはり「()」がないと、まるで誤植みたいに感じられてしまうんですな。この「()」が言葉ではない行動を示しているということをわかりやすく表現しており、効果を非常に高めておるわけです。

 女性アナウンサー:確かにそうですね。「()」がないと不思議な印象になりますね。

 安藤教授:そしていよいよ今日の本題だが……

 女性アナウンサー:(えっ、いままで本題じゃなかったの……?)

 安藤教授:私の渋谷新宿池袋を舞台にした「わくわくウォッチング調査」の結果、あるブームがはじまりそうだということを発見したのじゃ。

 女性アナウンサー:「わくわくウォッチング調査」ですか……名前、なんとかならなかったんですか?

 安藤教授:……わかったことというのはじゃな、いま若者たちの間で「()」を不条理に使うコミュニケーションが流行りつつあるということじゃ。

 女性アナウンサー:「()」を不条理……?

 安藤教授:そうじゃ。つまり、いままで日常的に「(笑)」を使ったり見てきたために、言葉の末尾に「()」をつけることに抵抗の少ない世代が育ちつつあるというわけなのですな。その世代は「()」の持つ意味合いの変化機能や、ポイントを際立たせる機能を逆手に取り、本来関係ない単語を「()」で挟んでやることにより、より高次元のコミュニケーションを図ろうとしているのじゃ。

 女性アナウンサー:はぁ……

 安藤教授:とまあ、解説はそのあたりにして、実際にそういう文章を見てみるとしましょう。これは、ある女子高生が友人に送ったメールなのだが。

(画面変わる)


 美樹いま何してんのー。私はまたまた渋谷ダヨ(タヌキ)。この間仲良くなったF高のタクミ君たちと一緒なのー。いいでしょ(ペレストロイカ)。
 タクミ君いま彼女いないっていうから、猛アプローチをかけるんだ(毒キノコ)。


 女性アナウンサー:なんだか、不思議な感じですね。

 安藤教授:わしもこの使用法を発見したときには驚いたものじゃ。しかし、若者のコミュニケーションはこのレベルにまで発達しておる。それもやはり若者のほうが変化に対する障壁のようなものが低いからなのじゃろうな。そして、この傾向は急速に世代を超え広がりつつあって、先日見た雑誌のある対談でも、すでにこの手法で対談をしている者たちもいたのじゃ。次にその対談を抜粋したものを見てみましょう。


<例>ある雑誌の対談記事


 鈴木:こんにちは。

 佐藤:こんにちは。

 鈴木:佐藤さんと対談をさせていただくのは昨年の夏以来ですね。

 佐藤:そうですねえ。あの対談はなかなか収穫がありましたよ。

 鈴木:さて、今回の対談は「アンパンマンと食パンマンとカレーパンマンの誰が一番強いか?」についてですが。どう思われます?

 佐藤:ものすごくどうでもいいテーマですね(豆腐)。

 鈴木:ええ、ホントに(ドリアン)。

 佐藤:でもまあ、テーマがあるのならそれに即して考えますけどね。まあ、私が思うのはやっぱりアンパンマンだろうっていうことですよね。やっぱ主人公だし。

 鈴木:でも、主人公っていうだけで一番強いっていうのもちょっと説得力に欠けますよね。

 佐藤:そりゃそうだ(狂い咲き)。

 鈴木:ねえ?(乱れ咲き)

 佐藤:でもまあ、いずれにしても食パンマンは劣勢ですよね。

 鈴木:ほお、どうしてです?

 佐藤:だって中身がないもの。

 鈴木:一理ありますね。

 佐藤:あとは持久戦になってくると思うよ、ボクは。そう考えたときにやっぱりカレーパンマンが弱い。夏時期にはねえ。

 鈴木:いたんじゃうってことですね(防波堤)。

 佐藤:そうそう(鉄火巻)。


 女性アナウンサー:なんだかわけがわからないですね……でも、「()」云々の前にテーマ自体も大の大人が対談するようなものじゃないと思うのですが……

 安藤教授:……いずれにしても、こういう変化には柔軟に対応する必要がありますな。インターネットが発達した現在、言葉の表現方法は大きな岐路に立たされているということができるのではと思います。変化を恐れることなく、しかしこれまでの伝統の上に成り立っているものも尊重しながら、より時代にマッチした、よりよい言葉を使っていきたいものですな。

 女性アナウンサー:教授、ありがとうございました。それでは、来週の「Word Labo」。おたのしみにー。


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 ここ数日の話。
 5日は20時半過ぎに仕事が終わり、天神を歩いていた。
 そして、たまたま映画館の前を通りかかったときに、そこで『愛しのローズマリー』を上映していることを知る。最後のレイトショーが21:10からで、そのときが21:00。
 これはもう観るしかないと思って、そのままレイトショーを観てからビジネスホテルに帰ってきた。
 そこに映画館があることは知らなくて、タイミングがすごくよかった。ラッキーだったと思う。
 映画館は座席数がたぶん50くらいしかないような小さなところだったけれど。

 パンフレットでは、ストーリはこのように紹介されている。


 主人公のハルは、父親の遺言がトラウマになり、(……)外見だけで女性の価値を判断している男だ。
 しかし、自己精神治療法の大家と偶然出会い、催眠術をかけられたことによって、ハルの美に対する視界と価値観が一変する。それまでハルにとっては、さえない容姿と思われていた女性も、ハルだけにはスーパーモデルばりの美女に見えてしまうようになったのだ。
 そんな時、ハルは、知的でユーモアもありスリムな美女ローズマリーと出会う……そう見えるのはハルだけで、実際のローズマリーは、136キロの体重にコンプレックスを持つ女性だ。ハルはローズマリーの美貌と心の虜になり、ローズマリーも外見を気にしないハルに心を寄せていく。
 ところが、ハルにかかっていた催眠術が解けた時、彼はショックを覚え、自分にとっての正しい選択を迫られることになる。


 この映画は『メリーに首ったけ』のファレリー兄弟の作品で、それが好きだったので観たのだけれど、やっぱりおもしろかった。
 笑わせて泣かせるとか、笑わせて考えさせるとか、感情をそうやって動かすような映画に惹かれることが多いのだけれど、今回もそう。
 114分はあっという間だった。

(※ネタバレをさけるためにこれ以上はなし)


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 6日は当初予定より少し早く仕事が終わることがわかったので、スケジュールを変更し、福岡空港発21:30の最終の飛行機で帰ることにする。
 電車を乗り継いで、横浜で最終の赤羽行きに乗り、東神奈川で最終の橋本行きに乗る。ぎりぎり間に合うタイミング。
 そしてひさしぶりに自分の部屋に着く。
 羽田空港に着いたのは23時くらいだったのだけれど、そういう時間の空港には人の姿もまばらで、閑散とした館内を同じ航空機を降りた人ばかりが長い列をつくっている。
 そういうときって、ついつい振り返って周囲を見てしまう。
 本当ならたくさんの人がいる場所なのに、普段とは雰囲気が違っていて、素の表情を見ているような気になってしまうのだ。
 同じ場所でも時間によって状況によってその姿を変える。
 たぶん人間だってそうだ。
 そういうことを考えたりする。
 キャリーバックを引きながら。

 電車の方は、新幹線の終電がとっくに終わっている時間だったことと平日だったせいか、予想していたような混み具合ではなくて、ほんの少しほっとする。そして、飛行機と電車の中で、読みかけだった『ONとOFF』という本を読み終わった。

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『ONとOFF』読了。出井伸之。新潮社。
 これは現在ソニーの会長兼CEOである出井伸之が社内のホームページ向けに書いていたエッセイをまとめた本で、元々ソニーの商品は結構好きなので(パソコンもデジカメもソニーだし)どんな感じなのだろうと思い書店で見つけて手に取っていたのだ。
 読み終わっての感想は、多忙であるにもかかわらず仕事に遊びにと、本当にエネルギッシュな人だなというもの。世界中を様々な会議などのために飛び回っていることと平行して、ゴルフにも精を出すなど。まさに常人離れした行動力というように思えた。
 そして、印象的だったのは、常に危機意識を持っているということ。会社が官僚的になっているのではないか、新しい発想の芽を摘み取っていないか、過去の成功体験にしがみついていないか……そういった危機感を誰よりももち、組織が目指すべき場所に向かっていくことができるように様々な形で提示し続ける。そういうビジョンを示しながら組織をまとめていくということは、簡単なことではないのだなということを感じたし、こういった文章を社員向けに発信するというのは(しかもそれを継続しているというのは)魅力的だなと思う。
 文章自体は、カチッとしたワイシャツではなくカジュアルシャツのような雰囲気で綴られているのだけれど、だからこそ逆に肩の力を抜いたところに問題意識が織り込まれていて、それは読んでいる人にも届いているのだろうなと思う。声高に主張を押し通すことだけがビジョンを示すことではないのだなと、常にオフィシャルでもラフな状況ででも、密度を変えて伝え続けることが大切なのだろうなということを感じさせられもした。
 印象に残ったところを。


 今回見学したのは、スターレットとコンプレッサーの工場ですが、一定の同期で連動したシステムで、次の工程には不良を持ち越さないということが徹底されています。一つの工程の中で、製造に必要な作業とそのチェック作業が完結しているわけです。
「不良率はどのくらいですか?」と聞くと、「当社には『不良率』という言葉はありません」との返答。
(……)
 ところで、次の工程に不良・欠陥を持ち越さないという「チェック機能」は、生産ラインに限ったことではありません。どんな仕事にも当てはまることだと思います。次に誰かがやってくれる、直してくれると思わずに、各人が仕事のあらゆる段階で、確実に正確に仕事をこなすプロ意識を持つべきです。(21-22ページ)


 また、(……)議論していても、今の延長線上で考える人ばかり。延長線上には決して解はないのに、そこから離れられない人が多く、最近やや悲観的になっています。
「オリジナル」を生み出す力を、ぜひもっていただきたい。(45ページ)


 小澤さんは今、自分を越える日本人指揮者を育てようと、大変熱心に活動しているのですが、彼と話しているうちに、指揮者と経営者とは共通点があるなと感じました。
 孤独である。
 常に勉強し続けなければいけない。
 基礎に忠実な部分と、革新を意識する部分とが両立しなければいけない。
 人材育成への情熱。
 などなど。(74-75ページ)


 アメリカの物流が止まったことで、多くの国々で意外なものの品不足が引き起こされたりする。世界は本当にinterdependent(相互依存)な状態になっていて、一地域で起きるこうした事件が、世界の隅々まで窺い知れない影響を及ぼす。(101ページ)


 ある時、頻繁に変わる仕事内容に私がグチをこぼした際、「サラリーマンたるもの、新しい部署に異動した最初の日でも、10年前からそこにいたような顔をして仕事をしろ。弱気な発言をすれば、下の者が迷惑する」と叱られて、目のさめるような思いをしたことがありました。(168ページ)


 私が仕事でもよく説明に使っている「改革のための八つのステップ」というものがあります。
 これは、
 �ヾ躓^媼韻粒領�
 ��強力なガイドチームの形成
 ��ビジョンの創造
 �ぅ咼献腑鵑療礎�
 �ゥ咼献腑鵑妨�かって行動するように全社員を奨励
 �γ惨�的成果の計画と実行
 �Ч垢覆覯�革の推進
 �┸靴靴ぅ▲廛蹇璽舛寮�度化(183-184ページ)


 ところで、NHKでピーター・ドラッカーの番組をやっていました。
 常に、「予測」を期待される彼ですが、「予測はしていない。人が気づかないわずかな変化を予兆として捉えているだけ。それについて思索するのが私の仕事です」という言葉は、非常に印象的でした。(190ページ)


 そして、最後にある「あとがきにかえて」のなかにある文章も考えさせられるようなものだった。日本では、趣味のない人がまだまだ多いのではという意見なのだけれど、世界でも最も多忙な人の1人であるこの人が書かれていると、普段忙しいからそういう趣味を持つことができないとかいうのはちょっと違うのだろうな……と思わせられた。「そして、未知のものに素直に感動する気持ち、「センス・オブ・ワンダー」が決定的な意味を持ってくる。」ということにはなるほどと共感させられもしたし。
 読みやすい本なので、興味のある方は。


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 お知らせ

 前も書きましたが、「アイアムサム」は絶対に見たいのです。
 父娘の2人が、チラシで見ているだけでもぴったりはまっているし、先日ビジネスホテルの部屋で後輩と打ち合わせをしているときにかかっていた深夜番組でも紹介されていたのですが、その映像を見てノックアウトされました。


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