Sun Set Days
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現在、12日の1:40。 ついさっき帰ってきたところ。 土曜日は休日だったのだけれど、夕方に仕事場に行って、一度帰ってきてから22:30から0:30まで近くのファミリーレストランで上司と同僚と3人で打ち合わせ。 僕が明日から大阪なので、そういうイレギュラーな形でのミーティングをするしかなかったのだ。 先週はいろいろと新しいことが決まって、それに関連して様々な資料を作成して取締役に了承をもらったり、その件に関して具体的に細部を詰めたりと、やることが結構あったのだ。 そしてそれはまだ継続中で、そういう仕事を抱えたまま明日からロードがはじまるので、これはこれでなかなかハードかつおもしろいことになってきたと思う。 いまの仕事はたぶん今年の夏で終了で、次は現場(店舗)に戻りたいという希望があるのでおそらくそうなるのだとは思うのだけれど、それでもいまの仕事は勉強になっていると思う。 でもまだ本当に全然いたらないところも多いので、しっかり頑張ろう。
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たとえば札幌では冬になると雪が積もって、そういう静かな夜に散歩に出るのは楽しいことだった。 もちろんかなり寒いので、そんなに長い距離を歩くことができるわけではないし、結構足元も滑るので少し遠くのコンビニにまで足を伸ばす=散歩ということになるのだけれど、それでもそれはやっぱりいま思えばたのしい時間だった。 雪が電信柱の明かりに照らされたときの色はかなりきれいで、そうじゃないところも晴れた夜には月明かりに照らされてうつくしくみえる。雪景色って言葉から連想するイメージほどきれいではない部分も少なくないのだけれど、それでも深夜にはどうしてかきれいに見えることが多かった。不思議なことに。 それから、かなり寒くて、コートのポケットから両手を出すこともできないくらいではあるのだけれど、吐く息だってかなりかなり白いのだけれど、それでもこのまま永遠に夜が終わらないのじゃないかと思えるような瞬間は、冬の方がどうしてか多かった。夜の底にいるような感覚があった。夜の淡い闇をかきわけてかきわけてどこかへ潜っているような。 これは何度も書いていることなのだけれど、深夜に1人で散歩することができるのは男に生まれてよかったと思うことのひとつで、1人の時間は絶対に必要なのだろうなとそういうときにはあらためて思う。 人は乱暴に粗くわけてしまうと何種類かに収斂されてくるのかもしれないけれど、その中には1人の時間がある程度以上必要な人たちがいると思う。 僕も自分ではどうしてなのかはよくわからないのだけれど、それでもやっぱり1人の時間は必要だと思っている。 いままでずっとそう思ってきたし、これからもたぶんそうだと思う。
たとえばその深夜の散歩のときには、別に何か特別なことを考えているわけではないのだ。それでも、自分の物事の考えるときの傾向とか、世界に対する見方であるとか、そういうものを確認することができるのは、やっぱり1人で散歩をしているときだと思うし、それがより鮮明になるのは中でもやっぱり夜の散歩のときだ。 冬の深夜の散歩は、思わず背筋を伸ばさなくてはならないようなところがあって、そういうところが(こごえるくらいさむくても)すきだった。 いまは雪の積もることなんてほとんどない場所で暮らしていて、散歩自体は相変わらず続けてはいるけれど(9日の夜にも深夜、2つ隣の駅まで歩いたし)、それでもやっぱり歩いているとときどき冬の北国での夜の散歩のことを思う。 それはもう現実的に難しくなったから、焦がれているといった感覚に近いものになっているような気がする。 最近の散歩のときには、仕事からの息抜きという部分で何も考えていないか、いま書いている(厳密に言うと手直しをしている)小説『N43゜』のことを考えている。 主人公千冬(ちふゆ。男)と、その幼馴染みのユウコのことを、それから2人が育ってきた小さな海辺の町のことを思い浮かべているのだ。 夜になると、その町のことをイメージしやすくなるのだ。どうしてか。 いろいろなことは、結局どういうふうにしても繋がってしまうものなので、後は何と何がどう繋がるのかを見極める技術が必要なはずで、それを整理するためには散歩が必要なのだ。 仕事が忙しくて、現実にはあんまり手直しに時間をかけてはいないのだけれど、それでも散歩のときにでも考えておくということは必要だと思う。 そういうのが、実際に手直しをするときにボディブローのように効いてくると信じたいし。 繋がるようにって思うし、繋げていきたいとも思う。
今日は『N43゜』の最初のほうのシーンを一部だけ抜粋。普通の本のようなページ割りに換算したら、10ページから11ページの部分。
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「人攫いが出るわよ」 僕のほうに近づきながらユウコは言う。「ユウコにやっつけてもらうよ」と僕は答える。いつものお約束だ。階段を上った先にはユウコの愛車であるクリームグリーン色の自転車が停められていて、それがくたびれたガードレールに立てかけられているのが見える。ユウコはいつもチェーン式の鍵を二つつける。それだけお気に入りの自転車だからで、このほとんど全員が知り合いのような田舎の町もなかなかどうして物騒だというのがユウコの持論だった。基本的にきちんとしすぎているのだ。大人びていて、とても同じ十六歳だとは思えない。 まあもちろん、確かに、クリームグリーン色の自転車はとても魅力的な色をしているけれど。 「アルバイト?」 「そうよ」 ユウコは何でもないことのようにそう言ってみせる。 「そうしたら、背中が寂しそうな青春君が砂浜にいるのが見えたから」 「今日は夕日に向かって叫んでいたから喉がからからだよ」 と僕は言う。ユウコはやれやれといったふうな表情を見せる。 黒い長い髪はまだ浅い夜のなかに、薄く溶け込んでいるように見える。海岸道路の電灯の明かりは砂浜まではそれほど届かなくて、思いがけず暗い。ユウコは週に四日ほど近くのスーパーでアルバイトをしている。小さい頃から何でもきちんとできたユウコは、やっぱりレジを打つのも早い。たまに買い物に行くと僕はユウコのレジを選ぶのだけれど、その手際のよさと数字のキーを押すスピードたるや大したものだ。町内でも有名なしっかり者の上原さんの娘なのだ。 気が強くて口が悪いのはたまに傷だけれど、本人にそれを言うといつもうるさいと言い返される。口喧嘩では僕はきっと永久にユウコには勝てない。 バンはユウコの足元に嬉しそうにまとわりついている。昔からユウコになついているのだ。ユウコは慣れた手つきでバンの頭を撫でると、「少し寒くなってきたわね」と言う。 「そうだな」 「もう帰るんでしょ?」 「もちろん、今日はもう叫び疲れたしね」 僕らは砂浜から離れて海岸道路に出るためにコンクリートの階段をのぼる。途中、海の方を見ると、暗く不穏な海がまるで巨大な鯰のように、静かで深い音をたてているのだった。
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それが何らかの形で読んでくれた人の感情を揺り動かすことができるような物語になっていればいいと思う。
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お知らせ
明日からはロード。
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