Sun Set Days
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2001年12月11日(火) 『東京タワー』

『東京タワー』読了。江國香織。マガジンハウス。

 帯にはこう書いてある。

「恋はするものじゃなく、おちるものだ。」

 それよりは小さな字で、こうも書かれてある。

「ふたりの少年と年上の恋人――恋の極みを描く待望の長篇恋愛小説」

 こういうキャッチコピーを見るといつも「むう……」とちょっとだけかなしくなる。
 恋はするものじゃなくておちるものだなんて、みんな思っていることでも言葉にするとその途端に下世話なものになってしまうし、それが前後の文脈の中で出てくることによってかろうじて違う意味合いを獲得できるような気がするのに、それだけを切り離して前面に持ち出されたら、やれやれって思うほかはない。

 第一、この帯を読んで、

「そうそう! 恋はするものじゃなくて、おちるものなのよね! さすが江國さん!」

 とか膝を打つようにいうのって、どうなのだろうとは思う(あくまで、個人的には、だけれど)。
 でもたぶん、こういう言葉を持ってくるほうが、本の売れ行きが良くなるのかもしれない。
 他の作家の本でも、そういうものは多いし。じゃなきゃ、つけないだろうし。

 江國さんの小説を読むときにいつもそうするように、この作品も一気に読んでしまった。
 そしておもしろかった。
 江國さんの作風の変化(のようなもの)については様々なところで言われているけれど、それは同時代の作家であるのだから当然のことだし、変わり続けていくのを見るというのも楽しいと言えばかなり楽しい。
 そして、その変わって行き方が自分の好きな方向と同じかかけ離れていくかということが問題なだけだ。
 ただ、個人的には、ちょっとずつかけ離れているのは事実。
 もちろん、読むたびにおもしろいなと思うのだけれど、それでも『ホリー・ガーデン』や『落下する夕方』のときのようなおもしろさではないということはすぐに自分でわかる。(今回もちょっと違う)と比較的最初の方で思うのだ。もちろん、相変わらず文章もうまいし、たぶんより自信を持って作品を作っているのだろうし、そういうものが伝わってくるような気がするのだけれど、たぶんそこの辺に個人的には摩擦のようなものがあるのだろうなと思う。
『冷静と情熱のあいだ』も『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』もおもしろいとは思ったのだけれど、やっぱりそういう微かな摩擦のようなものは感じていた。今回もそうだというだけのことだ(『ウエハースの椅子』は個人的にツボをつかれるものがあって、大切な作品になっているのだけれど)。

 個人的に思うところを簡単に書くと、「最近の江國さんの小説は、感情移入がしずらい登場人物が多くなってきている」ということに尽きるような気がする(あくまで個人的な感想だけれど)。

 読んでいる間は、耕ニが、僕の知っている先輩に見えて仕方がなくって、そういうのも不思議な感じではあったのだけれど。

 作品については、また後日別の形でふれるかもしれない。
 でも何だかんだ言って、大好きな作家なので過剰に考えてしまっているだけのことだし、期待のようなものがたぶん大き過ぎるのだ。
 おもしろいことには違いないし、久しぶりに触れることのできる江國さんの長篇ということもあって、とても待ち遠しかったのも事実だし。


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 今日は8日ぶりの休日だったのだけれど、午後から買物に出かけてきた。
 いろいろ見たのだけれど、結局CDを2枚買った。

『Sweet Melodies』(Burt Bacharach)と『sweet,bitter sweet』(松任谷由実)。
 前者はずっと欲しかったやつで、後者は半ば突発的に買ったもの。
 ユーミンって、もちろんいままで本当に様々な場所(やスキー場)で聴いてきたのだけれど、1枚も買ったことがなかった。
 そしてずっと買わないだろうなとも思っていた。もともとウェイトが洋楽に置かれているし(今月Joeのニューアルバムが出るのです!)。
 でも、買ってしまった。
 どうしてかよくわからないのだけれど、聴いてみてやっぱりすごいよなと思う。
 こういうのが圧倒的な才能なんだろうなって思う。
 感情についての才能。
 人間についての才能。
 まだ何回も聴いているわけではないのだけれど、ベスト盤ってそういうふうに、たぶんオリジナルアルバムを全部買わないだろうけど聴いておきたいアーティストについては、よりよい選択だなって改めて思った。人生は長くても、すべての音楽を聴くにはあまりにも短いのだから、もっとベスト盤も活用しないと! と少々検討外れの決意を新たにしたり。
 しかも、知らない曲も結構多くて、松任谷フリークには「う、嘘でしょ! この名曲も知らないの!」と言われてしまうかもしれないけれど、だからこそ新鮮だったりもして買って良かったと思ったりして。

 バート・バカラックについては、もう大好き! なメロディメイカーなので、聴いているだけで嬉しくなる。
 大好きな曲のひとつ「小さな願い(I say a little prayer)」もちゃんと収録されているし。

 偶然、どちらも2枚組で、お買い得感も大きい。
 でもなぜ、Yumingって「g」がつくのだろう?
 ちょっと謎だ。


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 スターバックスの新しいメニューに「キャラメルアップルサイダー」というものがあるのだけれど、個人的にはちょっとうーんという感じ。キャラメルもアップルも好きなのに、2つを混ぜてもうまくいかないのだなっていうのは、なかなかに興味深いことかもしれない。
 それは自分がそれぞれ仲の良い友人同士を会わせても、なんだかしっくりいかないことにもしかしたら似ているのかもしれない。それぞれはよい人なのに、一緒になるとうまくいかないんだよなーというような。


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