| 一日早いですが |
チャンネルを変えながらだったのでじっくり見てないが TBS系列でやっていたヒロシマの特番で 原爆の開発研究者の一人と被爆者の方が対談する件があった。 最後まで見てないので声を大にして言えないのだが 序盤の内容を見る限りでは やはりあちらの人とこちらの人では越えられない一線というか 思想が絶対に交わることの無い平行線を辿ってるように感じた。 しかしこればっかりは誰も責めようが無い。 そもそも価値観の土壌が違うのである。 向こうは正義と思ってやっていた。これが事実である。 ただ、責められないとは言っても一つ気になったことがある。 被爆後の写真を研究者は見てないと平然と言い放ったのである。 東京大空襲の写真は見た事があると言ったが、 普通の爆弾(焼夷弾)と原爆は根本的に違うことがある。 焼夷弾が火炎によって焼き尽くすことを目的として作られたことに対し 原爆は焼き尽くす以上の被害を出すのである。 投下後に襲い来る強力な熱線。これで爆心地付近の人は消滅した。 消滅まではいかなくても皮膚が焼け爛れてずるむけになったり ケロイド状になったりと文字通りの地獄絵図が展開される。 そして悪魔の仕業としか思えない放射能の洗礼が浴びせられる。 後々に白血病や癌を引き起こし、文字通り遺伝子レベルまで 人を崩壊させる恐れがある。しかもジワジワと人を蝕んでいくのだ。 60年を経過した今でもその被害で苦しんでいる人がいる。 しかし、残念ながら研究者はそのような被害を眼で知ろうとはしなかった。 批判を承知で言わせてもらうが、研究者であれば 自分の研究の顛末をしっかりと把握するのが義務ではないのだろうか? かつてアインシュタインが核の開発に関わったことを後悔し 反戦、反核運動に参加したように被害の状況を知るのが責務である。 あまりにも自分の研究に対して無責任ではないのか? と思いつつもこの番組のプレゼンターが筑紫哲也であることから 安易な左翼イズムからくる日本が何が何でも悪いと思わせるための ヤラセなのではないかと勘繰ってしまったのも事実である。 もしヤラセであるのなら彼らの行った行為は平和記念公園の千羽鶴を 燃やした学生よりも立ちの悪い行為といえる。 なにしろ世界史に残る悲劇の原因は戦争を起こした日本の 自業自得だと言っているようなものなのだから。 そんなことを言えるのは後世に生まれた人間のエゴイズムである。 所詮は正義面をしていても偽善者であることに変わりは無い。 NEWS23という一種のプロパガンダ番組を続けてきた筑紫の 偽善者面とエゴが垣間見えた特番だったのではないだろうか。 メッセージは反核でも反戦でもなく「日本が悪かった」なのだから。 追求すべきは日本でもアメリカでも研究開発をした人々でもなく 風化しつつあるこの悲劇を未来にどう伝えるかである。
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2005年08月05日(金)
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