ベールを脱いだ秘密兵器

以前からアヤックスのユースに良い選手がいるという噂を聞いていた。
アヤックスとしてはここ数年不足しているオランダ人ストライカーの
しかもユース育ちの選手としては久々の逸材という選手という話だった。
しかしトップチームに合流しているはずだが、待てど暮らせど出番が無い。
シーズン開幕直後にイブラヒモビッチを放出してからというもの
アナスタシウやソンクといった頼りないセンターフォワードが
ゴールを外しまくっているのを見る度に「あの子はどうした?」
とかねてからの情報を掴んでいた私はやきもきしたものだった。
しかし状況は変わる。監督のクーマンがある決断を下したのである。
かねてから日頃の行いが悪いソンクがメンバーが外れた。
もちろんそれは最近の不調も影響しているが、加入当初から
チームの戦術にフィットしていないのは明白であった。
そしてその代役として選ばれたのが、そう、その噂の選手だった。
名をライアン・バベルという。まだ17歳の少年だ。
もちろんスタメンではない。
しかし前半イマイチピリッとしない内容だったデ・グラーフシャフ戦で
やはりピリッとしなかったアナウスタシウから代わった直後に
才能の片鱗を見せる機会がやってきた。
ペナルティエリアからやや外側、左寄りの所でボールを受けた彼は
勢いよく右足を振り抜く。強烈な弾道を見せたシュートは
セーブに来たキーパーをものともせず豪快にネットへ突き刺さった。
ライアン・バベル17歳、リーグ戦初ゴールである。
そのゴールの衝撃はブラウン管の前で見ている私はおろか
中継の実況、解説までが唸り声を上げていた。
アヤックス秘蔵の秘密兵器がついにベールを脱いだ。
まだ17歳という年齢はフィジカル的な不安を残すものの
ラファエル・ファン・デル・ファールトもデビューは17歳だった。
将来有望なストライカーとしてこれから順調に成長し、
アヤックスを、そしてオランダ代表を勝利に導く
大きな灯火となってくれることを切に願う。
2004年11月22日(月)

Dag Soliloquize / tsuyo