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2002年02月13日(水) 五十嵐文男さん

 彼の事をご存知ですか?オリンピックで言うと20年前レークプラシッドでは9位ではありましたが、当時の日本フィギュアスケート男子シングルの筆頭でありました。(スピードスケート500m金のフッツランドルフがオリンピックを目指すきっかけになったエリック・ハイデン金5個ゲットの年、スキージャンプで解説しているビールのCMでも活躍の・・・渋くなりましたね・・・八木弘和がW杯で銀を取った頃です。)

 彼はここ数年日本で放送されるフィギュアスケートの解説を主にしています。低めの声で、冷静、正確、余計な事は一切言わない。選手に対してもできるだけニュートラルなコメントをする。プラスの事もマイナスの事も必要な事だけ言う。そういう風な印象を与えてくれる解説者です。私は、彼の解説を最も信頼しています。

 ペアフリーでは、ロシアにミスが二つあったにもかかわらず、カナダの完璧な演技でも越えられず、ショートプログラムの順位、変わらず
金 ロシア:エレーナ・ベレズナヤ/アントン・シハルリゼ組
銀 カナダ:ジェイミー・サレー/デービッド・ペルティエ組

でした。ビデオに録画していなかったし、1度しか見ていない、そしてSPも見ていないけれど、私はロシアの金に納得だった。プログラムが素晴らしいと思った。技術点でどういうミスが何点減点なのか、こんなにフィギュア好き年数長いにもかかわらず、テクニックとかよく知らない私。でも、減点されるのことは知ってる。ロシアのペアは、技術点で減点されてもそのプログラムの素晴らしさで評価されると思った。実際美しかった。カナダには気の毒だけど、どんなに最高の演技をしても、抜けないことはある。(トービル・ディーンがそうだった。)

 ところがその日のNHKの素人ゲストも呼んだハイライト番組では、どうもカナダの選手贔屓で、ニュートラルであるべき司会者までがウォーミング・アップの接触時、サレーの氷でぬれた膝を映し(シハルリゼは撮ってなかったにしても)「怪我したかもしれないのに、あんなに完璧にやったのに銀なんて・・・」とのゲストにコメントに相槌をうっただけだった。だけどね、接触した相手のシハルリゼも軽くだけど、手に怪我してたんだよ。なんでも『金さえとれば』っていう報道よりは、ある意味いい傾向であるとも言えなくもないけど、中庸さに欠けない?
 日本人の好きネタで言うと、ロシアのべレズナヤは96年に当時のペアのスケートの刃が頭に刺さって、半身不随、言語障害も残って、カムバックは無理と報道されていたのに、今のペア、シハルリゼの支えもあり、復活、長野で銀だったんだよね。その話題も、さっと流された・・・。他の局もそう?

 ちょっともやもやのとれない中、読売新聞朝刊から引用。
 『目の肥えた審判員の評価が真っ二つに割れるほどの2組に差があったとすれば、プログラムの密度の濃さだろう。サレー組はリフトとリフトの間やリフトとジャンプの間、普通に手をつなぐなどの演技だったが、べレズナヤ組はいたるところに様々な要素を入れ、プログラムの完成度が高かった』と、五十嵐文男さんがコメントしていた。さらに、『テクニカルではサレー組に3人5.9、残り5.8.べレズナヤ組は5.9はなく、5.8が5人、5.7が4人。しかしプレゼンテーションはサレー組に5.9が4人、5.8が5人。べレズナヤ組に5.9が7人、5.8が2人。総合でべレズナヤ組に1位をつけたのが5人、サレー組が4人』と、さっきのコメントの前に、実際の数字をあげている。

 そういうことなのだ。あのミスは金を狙うべレズナヤ組に痛かっただろう。しかし、それに動じることなく、一つの作品としてみじんも気を抜く隙のないプログラムを流れるように芸術作品として滑りあげた。怪我を乗り越えてきたロシアペアは昨シーズンの最高といわれたプログラムでなく、新作「タイスの瞑想曲」で、責めた。勝つためには挑まなければならないと。カナダペアは、彼女達の地位を確固たるものにした昨シーズンの「ある愛の歌」を完成させ挑んだ。ジャッジで決まる競技には、審判員の中に身贔屓が出てきているのでは?と思えるジャッジポイントが見えることがある。カナダペアは不運だったのか?私は、この場合は、より美しくプログラムの素晴らしかったロシアペアが僅差で金だったのは、致し方ない結果だと思っていた。それを五十嵐さんが冷静に解説してくれた。

 今日は、男子ショーとプログラムもあった。解説は、五十嵐文男さん。安心してみていられます。しかし、ロシアの両雄ヤグディンVSプルシェンコ!まさか4回転を得意とするプルシェンコがこけるとは思わなかった。でもさすが、その後の演技は完璧にこなし、4位。ただ「M・ジャクソンメドレー」ありがちなんだけど、要素を入れ込むために、イメージが途切れ途切れになった感じが否めない。その点、ヤグディンは「ウィンター」という、統一感のあるプログラムで、小さなフリーと思ってもいいくらいの完成度。もちろん、要素も決めてくる。ジャンプはもちろん、いったん、ためてからの早いステップ、ラストの優雅なシットスピン。プレゼンテーションも素晴らしくちょっと他のプログラムでは、もしプルシェンコがこけなくても、芸術点では、かなわなかったんじゃないだろうか、っていうくらいの出来だったと思う。圧巻。アメリカに行って表現力がアップしたと思う。
 そして、アメリカのティモシー・ゲーブル、4回転をサルコウで飛ぶ、いきのいいプログラム。これを押さえて、本田武史、堂々2位!5位には、同じくロシアのアレクサンダー・アブトがつけている。さてさて、本田、フリー本番では、どういう演技を見せてくれるか。あの長野で泣いていた青年とは思えない成長振りです。

 解説の最後にコメントを求められて、五十嵐文男は『狙ってもダメ、逃げてもダメ、守ってもダメ、自分に今できることを精一杯やる事ですね』と、また両雄争いについては『精神的コントロール』をどうほんばんまでにやってくるかでしょう、と言っていた。この言葉は、競技者だけでなく、日々生きている普通の人生を生きている私にも見に沁みる思いがした。


 ところで、ジャンプラージヒル!!おいおい、公式トライアルで1・2フィニッシュって・・・・。久し振りだ、って見上げてるよ、船木・・・予選通過。トップに食い込むにはなかなか有力なトップがいるだけに難しいだろう。でも、できたら1・2フィニッシュみたい。本番でも頼むよぉ!
 バレンタインにプレゼントを頂戴!!

 本音はね:怪我なく、あなたらしいジャンプを飛んでください、気持ちよく、原田さん。それであなたの笑顔がくっついてきたら言う事ありませんことよ。団体もあるし・・・。


もっちゃん |M@IL( ^-^)_ヲタ""日常こんな劇場( ^-^)_旦""

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