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2002年01月26日(土) 超人じじぃ@「VIDOQ」

 久し振り、半年振りに映画館に行った。こんなペースじゃいかんのぉ。

 今日は彼女とデート。どきどき初映画である。「VIDOQ」を観ることにしたものの、彼女の許容範囲内であろうか、心配。だって、ホラー怖いって言ってたし。でも一応、謎解きもの。しかも中世の雰囲気がたっぷり、撮影方法もかなりデジタルとか・・・詳しい事は知らないけど。

  出だし、なんか、「デリカテッセン」という、奇妙な映画を思い出した。そんな色使い。

  謎解きだけに、色々言うと、ネタバレになるけど、面白かった。フランス、1830年。政治が安定せず、街のあちこちで狂気がうずまいているような。そんな時代、実在した男、VIDOQ。彼は自分でも伝記を残しているらしいが、彼のあまりの人生の数奇さに、人々が伝記的要素を取り入れながら、創作した部分もあって、実際以上に、語り継がれている。フランスでは現代でも有名人らしい。

  VIDOQは、もともとは、犯罪者。脱獄を繰り返し、犯罪を繰り返す。しかし、あまり犯罪学に詳しいため、警察側が彼を取り込んだ。犯罪者仲間には裏切り者と呼ぶものもいたが、裏の裏まで知り尽くしている彼は、功績を上げる。その後、警察の仕事を(政治が変わったからだっけ?)辞めてからは、探偵を生業とした。彼が、実在の、職業探偵1号らしい。

  この映画では、落雷によって同時に2人の男が焼死することから事件が始まるのだが、当のヴィドックは、やっとしっぽをつかまえた犯人と格闘の末死亡する。相棒のニミエは、自分さえ一緒にいればと、くやむ。そこへ、伝記作家で、ヴィドックにアポイントメントをとってあったというエチエンヌという若者が現れる。彼の希望は、このヴィドックの死の真相を突き止め、真犯人をつかまえ、ヴィドックに報いる事、そして、彼の伝記を、その事件も含め、完成させる事だという。

 徐々に事件について知っている人間を芋づる式にあたっていき、真相に近づきつつあるエチエンヌ。鏡の顔を持つ錬金術師が犯人である。彼の鏡に映った人間は全て必ず死ぬと言う。
 このエチエンヌの道のりは、ヴィドックの後を追うものである。だから、映画では、エチエンヌが証人に辿り着くと、その話は、ヴィドックが実際そうしたであろうという映像で語られる。真相にせまり、ヴィドックは鏡の錬金術師の秘密をつきとめる。このシーンは思わず、彼女も私も目を背けてしまいました。しかし、それ以外は、目を覆いたくなる一瞬もあるものの、映画の気分を壊さない程度に「つくりもの、つくりもの」と言い聞かせて、目を背けずにすむようにしました。結構、面白いものです。
 特にヴィドックと鏡の錬金術師の戦いシーン。おいおい、ヴィドック、一体何歳やねん。結構、おじいさんじゃないか?いくら、手練の犯罪学者で、実際に、犯行を重ねてきて、頭脳だけでなく、実技も経験済みとはいえ、おいおい、鏡の錬金術師の動きは、まるで早送りの曲芸武道である。未来の物語での戦闘シーンのような、機敏と言う言葉では足りない動き。しかし、老人に近い年齢であるだろう、ヴィドックは、それについていけるのだ。すごい、すごすぎる。超人じじぃだ!
 例えば、中国や香港映画のカンフーの達人は、老人だったりする。しかし、気孔などを利用しているので、比較的、緩やかな動きで相手の力を逆に利用する事で、勝つ。そんな感じ?でも、ヴィドックは違う。君はダースベーダーか?ごろごろ、敵地で高い階段から転げ落ちようと、すくっと立ち上がり再び闘う。もしくは、今、地上にいて、屋上にいる犯人のところまで、あっという間にかけあがり、また丸屋根と普通の屋根のはざまとか、ややこしい、地上6階くらい?のところでばしばし機敏に動く。まさに、超人じじぃである。すごいっ!

 さて、鏡の錬金術師のナゾとはいかに?あぁ、なるほど、という闘いと、え?そうやったん?という探偵小説にありがちなどんでんがえし?があり、謎解きものとして、単純に楽しめるし、フランスの街の風景や、空やなんかの描き方が美しい。映像は時々、めまいしそうなとこもあったけど、とにもかくにも、ヴィドック、超人じじぃ様のおかげで笑ったりもして、面白かった。

 昔はもっと行ってたんだから、映画館にもいってみよう。高くなった!って行かなくなったけど、レディースデイなら1000円だし。マイナー映画も結構単館で見れるし。(期間が短いのが難点)お芝居もだけど、映画はせっかくだからテレビより大きい画面で見た方がいいよね。


もっちゃん |M@IL( ^-^)_ヲタ""日常こんな劇場( ^-^)_旦""

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