カブトは今スイミングでバックの練習をしているんだけど、 この間のテストの時、バックで泳ぐカブトをはじめて間近で見て、 当たり前なんだけど、 バックだから泳いでる時の顔が見えるワケで。
ヨーイスタートって、 腕を水面に向かってまっすぐ伸ばして、 壁を蹴って、 胸を反らせて、 仰向けになったまま水面へ潜って行く姿が ナンか、こう、不意打ちだった。 カブトの 自信と言うか、 凛々しさ、みたいな部分を 突然見せられた感じがした。
なかなか水面に顔が浮いて来なくて え、どうなの、大丈夫なの、とか思うワタシの思いとはウラハラに カブトは水中からグっと天井を見据えて 水面下で規則的にキックを繰り返し ようやく水面に上がって来た時に 普通にパク、パク、と2回、3回と息をして 相変わらず目線は天井を見つめ、普通に見つめ続け、 そしてゴールにたどり着いた。
そして、泳ぎ終えた後、いつも決まって照れくさそうに 小さくおへその横あたりで手を振る。
もう昔みたいに 泳ぐ前も泳いだ後も、ワタシの反応を見たりしない。 「かーかん、どうだった?」とかも、聞かない。
テストの後ロッカーで 「カブト、かっこよかったよー。」てキャイキャイ言うワタシに 「ほんと?」とか「ふーん。」とかそんな感じで。 水泳に関しては、もう、カブトはワタシの手を離れて行った様な気がする。
こうやってだんだん「男」になって行くのだね。
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