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「ただいま。」と帰る家 - 2003年02月11日(火)

大学に来て、一人暮らしになって5年になる。
始めのころ、友人と話してて一番不思議に思ったのは、
よく「一人で食事するの嫌じゃない?」と言われること。

なぜ?
そんなの普通じゃない?

最初はよく分からなかった。
自分の“普通”と他人の“普通”が違うことに気付いたのは
そういう違和感がきっかけだった。

うちの両親は共働きで、幼稚園のころは母親は内職程度だったが、
小学1年生になってからは外に働きに出たので僕は家の鍵を持ち歩くようになり、
学校が早く終わった日は自分で家を開けていた。誰もいなくとも「ただいま。」と帰る。
帰ったらまずカーテンと窓を開け、新しい空気を取り込み、仏壇に灯りを入れる。
食事時になって台所に用意してあればテレビでも見ながらそれを食べるし、
何もなければ近所に買いに行く。もしくは自分で何か簡単なものを作る。
それが僕の“普通”だった。

中学では部活と塾のせいで生活時間帯はあまり合わなかったし、
高校はとにかく部活が忙しかったので家にはほとんど寝に帰るだけで、
遠征や合宿で逆に自分が家を空けることの方が多かった。

そんなわけで僕は一人でいることがあまり苦にならない。
見たい物を見て、食べたい物を食べる、たいがいは一人で行動している。
いたって気楽なものだ。

手の届く範囲に必ず誰かがいなければ寂しいと感じるのは違うと思う。
遠くても、見えなくてもつながっていると思えるから生きていられる。

別に誰かと一緒にいることを否定するわけではない。
最近は常に誰かといることが多く、それはそれで楽しいのだ。
ただ、それとは別のお話。



BGM : 『Mr.Gone』 / Weather Report



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