speak like a...child

 

 

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I was born to ... - 2002年07月15日(月)

昨日はヒマだったので手持ちのCDのリストを作ってみた。
洋楽のアーティストをアルファベット順に並べていく。
まったくもって生産性に乏しい作業だと終わってから気付いた。
おおよそ洋楽150、邦楽60、サントラ30、その他20だったが、
貸し出している分が未知数なので300枚近くあるのだろうか。

今日は音楽の話をしよう。

僕は幸か不幸か1979年に生まれて今日まで生き長らえている。
男には音楽などいらんという厳格(?)な父のもとで、
ピアノを習うことを反対され、演歌以外に音のない生活していたが、
中学のころから流行りの歌謡曲とは一線を画し、洋楽を聴くようになった。
往年の名盤を聴きあさっては学校の先生を捕まえて、音楽談義をしたり、
CDを借りたりしていた。改めて思うと奇特な中学生だったようだ。

中学のころはROLLING STONESに明け暮れた。
少ない小遣いの中で月に1枚ずつ買っては聴いていた。
中3の春休み(正確には卒業後)にはライブも見に行った。
生まれて初めてのライブ。ROLLING STONES。東京ドーム。
あのころは無垢で本当に純粋に音楽に親しんでいたように思う。

高校に入ってからも友人には恵まれた。
徐々に洋楽に興味を持ち始める年代でもある。
クラスにSTONESに興味を持つ輩は何人かいたし、
それぞれが自分の好みを持っていた。

高校初期はQUEENを聴いた。
これにはクラス中がはまった。
貸したCDがいつまでもクラス内を彷徨い、いつまで経っても帰ってこなかった。
ビデオを貸したら午後から学校を抜け出して下宿で鑑賞会してるようなヤツらだった。

確かにフレディ・マーキュリーはAVなんかよりもずっと刺激的だったと思う。

話はそれるが、
なんで今の人はQUEENというと“I was born to love you”しか知らないのだろう。
昔CMで流れてた“Don't stop me now”は知らないのか?
サッカー場で歌う“We will rock you”や“We are the champions”は
誰の曲だと思っているんだろう。
僕はTVやCMで気に入った曲が流れると誰の曲か絶対に知りたくなるんだけど。
まあ、いいや。

高校1年の同じクラスにはYMO狂いの筋肉男がいた。
筋トレが趣味だというミタカ(実はIH3位)とはなぜか3年間同じクラスだった。
一度YMOを聴かされたが(無理矢理)、まだあのころは良さが分からなかった。
今はいくらでも貸してほしいと思うのだが。

アツとの出会いも1年だった。
DOORSが好きだった。
彼は突然現れ、そして突然いなくなった。


高校時代はLED ZEPPELINも好きだったし、DEEP PURPLEも聴いた。
かと思えばクラシック(classical)に手を出してみたり。
『音楽的雑食』
僕は自分のことをそう表現する。

音楽に関することで後悔らしきものが二点ある。

まず、一つは我が家には音楽的資料が皆無だったことだ。
聞けば友人たちは親父さんがフォーク好きだったり、
クラシック好きだったり、ジャズ好きだったりしていて、
子供のころからそういうものに触れられる環境にあった。
子供に理解できる音楽かどうかは別としても、我が家よりはマシだと思う。
音楽鑑賞と言えば、旅行するときにカーステレオの
昭和歌謡や演歌に付き合わされるだけだった。
正直、あれは苦痛だった。正直。

もう一点はこれは後悔であり、後悔でない。
僕の生まれる時期に関してだ。

もっと早く生まれたかったなと思うことがある。
STONESにしろ、QUEENにしろ、ZEPPELINにしろ、
全盛期をリアルタイムで聴きたかったし、その姿を見てみたかった。
STONESは老いてなお健在であるところを見せてもらったが、
QUEEN、とりわけフレディ・マーキュリーに関しては悔やむ以外ない。
彼が死んだとき、僕はまだ12歳の日本人だった。ニアミスだった。

もっと早く生まれていれば、今頃は経済力もあって、
聴きたいCDを聴きたいだけ買えたんだろうなぁとも思う。
でも、それは違うかもしれないとも思う。
筋トレ男のYMOでも分かるように自分の感性は絶えず変化している。
生活のいろんな面に影響を受けながら進化と退化を繰り返している。
だから金持ちの自分は金無しの自分と同じ感性を持つとは限らない。

一枚一枚をすり切れるまで聴いた少年時代は少年だけが抱きうる思い出なのだ。
(CDはすり切れることなどないが。ただ、神経質なのでジャケットが割れると落ち込む。)

今に生まれて良かったと思うこともある。
技術の進歩、メディアの充実のおかげで聴きたい曲が聴きたいときに手に入る。
デジタルリマスターで古い音源の音も良くなっている。(厳密にはそうではないが。)
STONESの活躍した1960年代からは比べ物にならないほど世界は変わっている。
楽器や機材だって昔はできなかったことが今はできたりする。(その逆もあるけど。)
それは時として音楽をつまらなくさせる要因にもなっているのだが細かいことは割愛しよう。


つまるところ、僕はこの時代に生きる他ないのだ。
近い将来、就職して自分で稼ぐようになって、給料をCDやライブに注ぎ込んで、
物が満たされて、心が満たされない自分に気付く。そういう道をたどるのだ。

嗚呼、人間はなんと不器用で愚かな生き物なのだろうか。

 そんなときこそROCKだ。
 いや、JAZZだ。
 違うよ、BLUESだよ。

今日も僕はCDを聴いている。
音抜けの悪いスピーカーと友人からもらったサブウーファで。
これを買い替えるとき、僕は再び自分を殺すのだろう。



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