Stage Diary
Sorry,Japanese Version Only
日本語以外の言語でのお問い合わせには応じられません。
ゴシップ目当ての方&クレーマーさんもご遠慮いただいております。


Yoshimi.Aが観た舞台の感想です。
レポートではなく感想だけを載せてたりすることが多いかも…。(^-^;


2004年05月03日(月) 『キャンディード』

GW合宿2本目は『キャンディード』。
ヴォルテール作のミュージカル化なので、テーマとか随所に哲学的なものが見えますが、それを面白おかしくみせてくれるので、ちっとも難しくはない作品。
前回は石井さんがキャンディードを、マクシミリアンを岡さんが演じてらしたので観に行きましたが、今回は中川君がキャンディードだってんで迷いました。

Q. 中川君の何がイヤか?
A. Pops的歌い方と鼻の高さ(笑)

…っていうのは冗談としても、『Mozart!』の時は井上君に終始して大千秋楽(笑)の時しか観てないので、実質的にはこれが『初めて』になるから…ちょっと心配でした。
それに亜門演出に懐疑的になってたというのもあります。
でもそれでも申し込んでしまいましたが…やっぱり、中川君は幾つかの舞台を経て、舞台的立ち居振舞いには慣れたように思うけど、それでもやはりまだ喉だけで歌っていた。

で、その結果は…小粒。
なんか、キャンディードもグネゴンデも幼い。
何となく、子供のあらいぐまがじゃれてるっぽい光景に見えた。<特にグネゴンデがあらいぐまっぽい
その分、無邪気なところは本当に可愛らしく映るのですが、終幕までそれが続くので、舞台が薄っぺらい。
キャンディードの成長の物語なのに、キャンディードが家庭教師の楽天主義から何を学び取り、他の哲学者とであって何を思い、何を悟ったのか…というのが希薄でした。

ある意味、前回観たキャストが悪いよね。
石井さん…あまり好きじゃないけど、気まずい思い出もあるから、敬遠したいけど…石井さんのキャンディードは成長の度合いが場によって感じられた。

前回との顕著な違いをあげるなら衣装。
石井キャンディードは白。中川キャンディードはベージュ。
それはただ単に色が違うということだけじゃなく、内面的な二人のテイストの違いも表現されていたのだろうと思う。
そういう意味においては色を分けたのはGood。
喉だけで歌うのを脱却できれば、もっとよくなる子なのになぁ…と思う。
前回は歌いかたの違いから『ミュージカルVSオペラ』のように感じたけれど、今回は『POPS VS オペラ』でした。
プログラムの中で郡さんと岡さんは『違いなんてない』みたいなことを仰ってたけど、やはり、ブレスひとつ取ったって違いはあるのです。
でも、ロクに知りもしないくせに小難しい評論家の意見を鵜呑みにして差別したりはしません。
歌詞が聞き取りやすいかとか、音がどれだけ綺麗に伸びるかとか、理論ではなく自分の耳で感じたこと…それが私が区別する理由です。
上手い下手とか、よく音を外すとか…もね。(^^)

ただ、私はもし可能ならば新納さんがキャンディードをやったら面白かったんじゃないだろうかと思った。
ある意味、新納さんのキャラは、蝶よ花よと育てられて毒も刺も撒き散らしてるマクシミリアンにはぴったりだといえるかもしれないけど、そういう人がキャンディードをやっても面白かったのではないかと思う。
中川君は致命的な不可もないけど…イマイチ見応えのない子だったので、もう少し、アクの強さを見習うというか、分けてもらえっていうか…キャンディードと一緒に成長して欲しいと思う。

あと、狂言回しのヴォルテールを辰巳さんが演じてらしたのですが…四角いです。
語るのに一生懸命で、それに終始してしまって、ヴォルテールの語りを面白いとは思えない。
まあ、これからまた変わっていくのかもしれないけど…。
ああいう弾丸的喋りは普段のんびりと優雅に話す人より、上川さん的な『僅かな間さえも黙ってられない』っていうキャラクターを持ってる人のがあってるかもしれません。

同様にオールドレディも。
この人こそ、前回とは比べてはいけないだろうことはわかっている。
しかし!中島啓江さんのあの面白さを体験したあとでは、オールドレディももっと身体いっぱいに笑いを表現して欲しかった。
お尻が片方ないエピソードだったらそれだけでもっと笑えるはずなのに、くすっとしか笑えない。(;;)
オペラ畑の人にしては演技が達者だと思う。
そして、歌もそんなに高音をだす役じゃないけれど、音の伸びが綺麗。

でも…そこまで。

笑いに関してはもっと自分を捨て去って欲しかった。

あとはグネゴンデ…可愛いけど、お兄さんのが明らかに美人(笑)。
前回のが美人度は上だけど、今回のが台詞が聞き取りやすかった。
どちらがいいかと聞かれたなら…知り合いではないとはいえ、Web日記で誰の目にとまるかわからない以上、どれだけ毒を吐いていたとしてもこれ以上のことは言いづらいので、舞台にはロマンを求めますとだけ答えておきます。<結局言ってるようなもの…(^^;

あと、気になったのが会場の特性なのか、今回のプランなのか…何だか舞台が狭く感じた。
セットは以前と同じものなので、違うものは会場。セットがどうこう…じゃなくて舞台袖とセットの距離が狭く感じたのです。
端的に感覚だけで言わせて貰えば、『額縁が小さくなった』感じ。
これは、私の主観ですが、本当に主観だけなんだろうか…。


 < 過去  INDEX  未来 >


Yoshimi.A. [MAIL] [HOMEPAGE]