| 2006年05月05日(金) |
[あずみ AZUMI RETURNS]観劇。 |
5/4 12:00開演(昼の部) 梅田芸術劇場メインホール
友人二人と久々の演劇鑑賞で、道中もことのほか楽しい一日を過ごしました。 たぶん暑くなるだろうと一人夏の格好(Tシャツに編み編みボレロ)で、友人二人は長袖だし、街中を歩いていてもジャケットを羽織っている人がたくさんいるしで、少々恥ずかしかったんですが、観劇後は背中にしっとりと汗を掻くぐらいだったので個人的には正解だったなと、自己満足に浸りましたよ。
さて初観劇の『あずみ』、なかなかの良席(11列目)で獲った者としては友人たちに喜んでもらえてよかったです。 なのにカナメさん(涼風真世さん)登場の際(淀君と美女丸それぞれ)に、しっかりと双眼鏡を構えました; いや、私、かなり視力悪くてですね、よく見えるはずのコンタクトは相性が悪いんで舞台とかライブでは何故か見えづらくて、もっぱら眼鏡を愛用してるんですが、これはこれで視力がゆるい; 車が運転できればいいやな視力なので、友人などは双眼鏡がなくてもハッキリ見えたそうですが、私はそうもいかず装着した次第なのです。
それはさておき。 役者さんそれぞれの感想から。
☆黒木メイサちゃん。
彼女の容姿端麗さは素晴らしいですね。 まず登場した時の存在感に惹きつけられましたし、殺陣にしても、あずみには決めポーズかあるようで、それが彼女の手足の長さを生かしていてとても綺麗。 お芝居にしてもまさに体当たりで、感情がビシビシ伝わってるのがすごくよかったです。 あずみの天真爛漫さと駄々っ子のような奔放さと、一途なんだけど流されやすい思考力など、外見は麗しい女性になりつつあるのに中身が全然ついていってない幼さがよく出てました。 じじが命尽きようとするシーンで必死に「一人にしないで」と訴えている姿が可哀想なんだけどすごく憐れで悲しくて、戦の世の無情が一番現れていたんじゃないかと思いました。
個人的なストーリーの感想としては、戦のために幼い子供を刺客に育てる大人たちの非道に怒りを覚えるよりも、あずみを取り囲む男たちに腹が立ったんですよね(苦笑)。 勝手に彼女を美化して思いを寄せて能力に惚れ込みそれに頼る彼らが、どれだけあずみをオモチャにしていることか。 そして彼女も葛藤はするんだけれど結局自己判断ができずに流されるまま乞われるままに人を斬り続ける。 あずみをそんな人間にしたのは自分たちであると、重い宿命を背負わせてしまっているんだと、彼らはちゃんと自覚しながら死んでいったのかどうか。 彼らは本望だったかもしれないけど(死ぬことに対しては未練は大有りだろうけど)、その想いはあずみを不幸にするだけなんじゃないか。 とまあ、見終わって回想していると勘兵衛を始め、うきはたち仲間にも腹が立ったわけです。
そうやって怒りを覚えるくらいメイサちゃんのあずみはよかったってことですわ。 ただ、だいぶ喉の調子が悪いようで声が嗄れに嗄れて、叫ぶセリフばかりなんでヒヤヒヤしましたけどね。 それは今後の課題なんだろうな。
☆生田斗真くん。
友人が最初の登場シーンで誰だかわからなかったという……それだけ大人になってました。 本当に随分男前になって! 惚れ惚れしちゃったじゃないか! フライングはさすがに様になっててカッコよかったですよ。 キスシーンもあったし(ほんまにしてた/笑)。 見栄えもいいし殺陣も決まってるし声もよく出てました。 うきはのあずみに対する一途さ、後半は彼女を守る一念だけで刀を振るっている姿が切なかったですねー(でも上記のように不満はあったけど)。 殺陣がけっこう激しい上に長いんだけど、太刀捌きは緩急をつけて綺麗に決まるのでモタモタしないし見応えありました。 くるくる回してピタッと鞘に収めてるのが自然でらしく見えましたしね。
そうそう銀之丞さんのアドリブで、斗真ってばスタバの店員さんに「4日までやってるから観にきてね」とアピールしに行ったそうで、しかも何も買わずに出てきたとバラされておりました。 観客大ウケで、オタオタする斗真にメイサちゃんも「うきは……」と呆れながらも俯いて笑ってました。
☆長谷川純くん。
彼が一番おいしい役どころかもしれない。 秀頼もあずみに一途に想いを寄せて必死にアタックするんですが、どうしても叶わず、あの手この手を駆使しているうちに、男として格段に成長していきます。 その過程がちゃんと伝わってくるし、前半の甘ったれた性格が滑稽に見えるし可愛くも見える。 動きの一つ一つが世間知らずの純真無垢さを表現していてとてもよかったです。 それにしても、まさか白地に金糸のタキシード(王子系衣装)で登場するとは、あっけに取られてしまいましたよ(笑)。フィナーレでは馬のオモチャに跨ってるし(会場大ウケ)。 あと、最期に一瞬だけ素晴らしい剣戟があってそれにもびっくりした。「刀使えたのかい……」と呆れちゃったけど、優しい心根を持ったままでの潔い死の選択は感涙ものでした。 彼もあずみに介錯を頼みはしたけど、何の想いも託したり残したりしなかったんですよね。あずみとひとときの幸せな夢を見られた、それだけで悔いはなかったのだと思わせてくれた気がします。
……いや、あの、歌については、手に汗握って見守らせていただいたということで……『愛と沈黙』、いい曲ですね。
☆涼風真世さん。
いい声してはるわ……!!! 淀君の可愛らしくもヒステリックな金切り声は不思議とやかましく感じられないくらい綺麗な声でしたし、美女丸の狂気じみた低音と台詞回しが絶妙でドキドキさせられました。 なんて張りのある澱みない声をしてらっしゃるんでしょうね〜。 タカラヅカ時代から妖精とか美少年とかの中性的な役柄よりも、悪魔とか策略家とか黒い役が好みだったので、今回の美女丸は久々にキましたね。 もちろん容姿も美しい方なので、淀君のキュートさも美女丸の妖艶さも素敵でした(それに歌も聴けたv)。 ただ殺陣は設定としてそうしたのか、衣装など諸々の都合なのか、上半身のみの太刀捌きでピシッと決める箇所がなかったのは残念かな。 それとフライングは必要なかった気がしますね。うきはが飛ぶからちょっとした空中戦を展開したかったんでしょうけど、見ててハラハラしちゃって画的に美しいとか思ってる場合じゃなかったですよ; 美女丸の最期より淀君の最期のほうが印象的でした。
ところで年末頃から新作ミュージカルをされるそうで……。 すっごい楽しみ! 是が非でも観に行きますわ!
☆赤坂晃くん。
私より年下なんよね〜彼。見えない……(すまん;)。 剣の達人で貫禄ある豪傑の役で、個人的はカッコよくハマってたなぁと思いました。 殺陣が始めてというのに驚きましたが、ちゃんと腰に重心があってどっしりとしていながら踏み込みが素早い太刀捌きでした。 要所要所で型も決まっていて剣豪らしく見えましたしね。 発声もいいですし、真面目な顔して銀之丞さんのアドリブに付き合ってるのが面白かったし、ジュニアとベテランの間に挟まっていい味出してたように思います。 まあストーリー上、上記に書いたように彼の最期もあずみに託されてしまったのがやるせなかったですけどね。 「ガラスの三十代」って紹介されるのが、笑えるけど切ないというか……。 そうそうバック転できなかったとは(木曜の『なるトモ』にて)。 それは知らなかった、驚いた。
☆山崎銀之丞さん。
もうさすがとしか言いようがないです。 澱みないセリフ回しとポンポン出てくるアドリブと軽快な動きが、会場を沸かせてくれるし和ませてくれるし、その活躍に脱帽です。 毎回、清正の影武者を立てるのにお客さんを選んでいるようで、今回も苦笑しながら「今日は無理だと思うんだけど……」と降りてきて、最初に選んでみた人は殿がお気に召さず、再度殿の要望である"タフで美しい主婦"(何で主婦!?と抗議するも勘兵衛まで口を揃えて主婦を要求)を目指して探すんですが、「あの、みなさん何故眼を逸らすんですか(笑)」と、困惑気味。で半ば強制的に指名した方に髷のカツラを乗せて爆笑を誘っておりました。 一幕のほとんどは彼はお笑い担当っぽかったですが、二幕は一転してシリアスで"飛べない"飛猿は周囲に尽くすタイプの人なんだと思いました(そんな解釈でいいのか?)。
……にしても、「い〜た〜い〜」って転がるシーンで何故か光一さんを思い出した私。何でココなの、と自分でも可笑しかったです。
全体を通してまったく退屈しないテンポよいお芝居で見応えがありました。 お話は色々と「怒り」を感じる内容ですが、プログラムを読むとそれが演出家の方の狙いではあるようですし、私の感じ方はちょっとズレてるかもしれませんが、私なりに感想を持てたことはよかったと思います。
演劇やミュージカルはもっとたくさん観に行けたらいいのだけど、大阪まで出るのも大変だし、ましてや東京は……。 住めば都ってほんとかなぁ?
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