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| アキラさんとはいろいろありました。。。...各務優有 |
深い愛情のこと - 2002年09月08日(日)
アキラに、手紙はいらないと言った次の日
あたくしは再び面会に訪れました。
アキラが面会に出てきてくれるか
賭けだとは思いましたが
本当の事を全て話し合おうと思ったので御座居ます。
この日、留置で受付をして下さったのは
あたくしに日頃から良くして下さる
山さんと呼ばれる刑事さんで御座居ました。
アキラは出てきてくれますかね？
と、いうあたくしの問いかけに
山さんは
拒否するような事言ってたけど
腰紐つけてでも引っ張り出してやる！
って言ったら観念してたよ。
と、笑って言って下さいました。
本来なら、人権の主張というものが
犯罪者にも有る筈ですから
決してそんな事をしては
いけないのでしょうけれど
あたくしの立場をくんで下さったので御座いましょう。
山さんは、本当に良い方です。
面会に顔を出したアキラは
とても穏やかで御座居ました。
あたくしはアキラを問い詰める気は有りませんでした。
あたくしがアキラに話に行ったのは
自分のして来た事全てで御座居ます。
一度目アキラと別れた時
８歳年上の男性と付き合っていた事。
二度目別れた時は
自分の結婚願望の強さに負けて
アキラを信用しきれなくなった事。
三度目別れた時は
再び８歳年上の男性と付き合い
結婚まで考えていた事。
それらの全てをアキラに話して参りました。
アキラは気付いていたそうで御座居ます。
しかし、それをあたくしに話した所で
別れていた時の話だし
自分には実際、妻が居たので
言う権利も無いだろうと思った。
と、言っておりました。
あたくしは、アキラが再婚すると聞いた時
一度は愛人に徹しました。
一度でも、愛人になったからこそ
愛人という立場が益々嫌いになりました。
アキラの奥様への後ろめたさと
アキラの子供への申し訳無さに
自分が潰されてしまいました。
ですからこそ、あたくしの愛人生活は
たった２ヶ月で終わったので御座居ます。
それが実際には
付き合った当初から一昨年迄
あたくしは愛人だったのです。
何も知らずにアキラと一緒におりました。
確かにアキラは、携帯以外の連絡先は
一切教えてくれませんでした。
それでも、週に１〜２回はあたくしの所に現れ
電話だけは毎日くれました。
四度目やり直した時
アキラは既に独身でした。
実際この時アキラは、一人で住んでおりました。
その部屋にはあたくしも何度も
出入りをしておりましたし
電話番号も聞いておりました。
その一年後、アキラは実家に戻りました。
それからは、再び
何処に住んでいるのか分からなくなりました。
只、その頃から頻繁に
あたくしの家に通い始めたので御座居ます。
皆様がご存知のように、ほぼ毎日でした。
実家に住んでいると聞いていたあたくしは
それだけで安心しておりました。
アキラは独身だった事を隠していた事について
離婚の原因を話せなかったのと
借金が全部終わって綺麗な身になったら
話すつもりだった。
と、言っておりました。それに
これからも子供に逢いたかった。
とも話しておりました。
再婚すると嘘を吐いたのは
結婚しているという事実を
隠しきれなくなった。
とも言っておりました。
それでも結局、あたくしが原因で
離婚していたので御座居ます。
一度愛人に徹すると決めた身で
こんな事を言うのは身勝手なお話ですが
自分自身が離婚の原因になるとは
想像もしておりませんでした。
アキラは結局
血が繋がらないと分かっていながらも
可愛がって育てて来た子供よりも
あたくしを選んでくれたので御座居ます。
いくら自分の実子では無いにしても
アキラは自分の子だと思って育てて参りました。
その子と離れなければならないというのは
身を引き裂かれる思いだった事と思います。
それと同時に、アキラの奥様は
あたくしと同じ、子持ちという立場で
アキラを頼って結婚した事だと思います。
アキラを信じて、子供も託して
一緒になった事で御座いましょう。
それが、あたくし等という者が
出てきたばかりに
このような結果になってしまいました。
何も知らなかった事とはいえ
あたくし本人、今現在同じ立場である以上
大変おこがましい事かもしれませんが
心が痛んでなりません・・・。
あたくしは、何をどう
謝罪すれば良いのでしょうか？
アキラは犯罪に走った事について
早く借金を清算して
直ぐにでも結婚したかった。
と、言っておりました。
何故そんなに急いだの？
と、聞いた所
優有ちゃんが、又今度
いつ「別れたい」と言うか不安だった。
と、話しておりました。
確かに三回とも別れを口にしたのは
あたくしで御座居ます。
そして、その間全てに
他の男の影を見たアキラは
不安に駆られたので御座いましょう。
事を急いたばかりに
犯罪を犯したので御座居ます。
俺が結婚しているうちは
まだ、自分にも非が有ったから
素直に別れられた。
でも、離婚して一人身になってからは
何とか優有ちゃんと一緒になりたかった。
今度は呆れられる前に
出来るだけ早く・・・。
と、あたくしに話しました。
アキラがあたくしの何を好きになったのか
何も分かりません。
只、事実として言える事は
あたくしと一緒に居たい一心で
離婚した事と
犯罪に走った事。
それだけです・・・。
あたくしが今まで別れを口にしていた事が
何よりもアキラに負担をかけておりました。
あたくしは、本当に
アキラに愛されておりました。
そして、あたくしも
アキラを本当に愛しておりました。
あたくしは今思います。
どんなにあたくしを好きだと言っていても
人の子供が出来た女を、病院まで連れて行き
その後、優しい顔をして笑える男は
そうは居ない事でしょう。
きっとそんな男には
もう二度と廻り逢えない事でしょう。
もう、此れだけで
あたくしは充分です。
此処でアキラを
解放したいと思います。
アキラとは、終わりに致します。
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