『スウィート・バイエル』
『スウィート・バイエル』

モクジ 今ヨリ、カコへ 今ヨリ、ミライヘ


2004年11月07日(日) Etwas bezog auf Vertrauen.



 
Sだったり、Mだったり……そのほか、
偏った性癖の持ち主であるヒトは、
かなりの割合で、心のどこかに
闇や欠陥をかかえているのではないだろうか?
 
かくいう私は、過去(20代前半)に仕事と人間関係でウツ病を経験している。
今のウツ病ブーム、病気を理解する方々が増えて嬉しいが、
日本総ウツみたいになっちゃって、イヤだ。
「あたし、ウツっぽいし〜」
なんて言えるウチは、ウツではないのだ。
 
それはさておき。
病気になって、いろいろ見えたこともあった。
 
周りの理解や、原因除去も必要だが、
本気で治したいのなら、
ある程度の時期からは自分で頑張らなければいけないことを知ったり。
「風邪を引きやすい体質があるように、私は心の風邪を引きやすい体質なのだ」
と認め、理解し、自分なりに予防したり対処することが、
出来るようにもなった。
物事をポジティブに考えられるようになった。
 
でも、心に闇は残った。
それをぐっと心の奥深くにしまいこみ、表層に出ないよう
いろんなものでコーティングしていった。
その闇が何なのか、自分ではずっとよく分かっていなかった。
 
 
ご主人様の手が私の頬に触れた瞬間、
私は理解した。
 
私の心の中の闇……「人なんて誰も信じない」。
 
世の中には、いろんなタイプの人が居る。
私は、友達に言われた。
「ちぇりって、マジメにやっててあたりまえって思われちゃうのよ」
つまり、要領が悪いのだろう。
いいときは利用される。
自分でもそれが解っている、でも好きなヒトの為には頑張る。
でもあまりに事態が酷くなっていくと、我慢できなくなり、反旗を翻す。
……と、裏切り者になる。恩知らずと言われる。
 
作家師匠と何回か行き違いがあったが、だいたいがそんな感じのことだった。
 
表面上はhotで陽気な私だが、心の奥底は冷たい。
その闇が自分で大嫌いだから、封印する。
そしてもう、辛い思いもしたくない。
 
 
そんな私に、多分、
生まれて初めて「信頼しなさい」と言ったのはご主人様だった。
最初はとまどった。
信頼? みんな裏切るくせに?
信じろ? こんな関係なのに?
こんな関係だからこそ、信頼?
わかんない、わかんないよぉ……
どういう言葉か理解できないし、もう私は傷つきたくないんだもん。
 
その言葉を言われてから、数ヶ月後。
とある話の時に頬を撫でられ、自分の心の闇を悟り、更に深く悩んだ。
 
それにご主人様だって、
とりあえず「信頼しなさい」って言っているだけで
私がこんなに悩むほどの深い意味はないのかもしれないし……
私ひとりが、こんなに重く捉えているだけのことかもしれないし。
 
いろいろなことを経て、月日を経て、
私は自分なりに結論を出した。
 
ご主人様を信頼していこう。
 
人の心なんて移ろいやすい。
ご主人様との関係だって、永く続けられるものではない。
「信頼」という言葉を覆すのは、ご主人様かもしれないし、
私かもしれない。
だけど……いいのだ。
今、私がこのご主人様を信じて関係を繋ぐことで、
私は変わることが出来るかも知れない。
成長することが出来るかも知れない。
 
どんな結果が将来待っていようとも、
今の関係を後悔はしたくないのだ。
 
ご主人様の「信頼」という言葉は、私が自ら閉じてしまった扉を
開けるための鍵だったのかもしれない。
 
今は「私を信じなさい」って言われると、うん、と
素直に頷くことが出来る。
だって私は、ご主人様の奴隷だもんね♪
 
これからも、私が不安を感じているとき、
怖さをおちゃらけで隠して、言うことをきかないとき、
落ち込んで心を閉ざしているときに
「ちぇりは私を信じなさい」って言われたいな。
それは私にとって、頓服でもある素敵な言葉だから。
 
そんな大切な言葉なのだ、
世のSの方には、使い方を間違えないで欲しいと思うなぁ。
 
 
追伸
そんな私だけれど、完璧にご主人様には依存はしたくないと
思っている。
私が目指すのは、弱っちくても
ちゃんと自分の足で立って歩ける、かっこいい奴隷なのだ〜(笑)
 
 《 2004.11.09 6:40 記》
 





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谷藤 麻瑚 MAILスウィート・ハノンHP(改装・再開予定)

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