よるの読書日記
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2003年07月04日(金) 真実の口

『一九三四年冬――乱歩』<久世光彦/新潮文庫>
久世さんっててるひこさんなんですね。光って字はややこしい。
家出中の乱歩が潜伏先の宿で紡ぐ梔子姫の危うく隠微な物語と
作風に苦悩する大作家の心理。
ファンの多い作家の、それも発表されなかった名作を物語の
中でとは言え、こうやって書くなんてなかなか肝っ玉
据わってないとできませんよねー。私なんかはあんまり
まだ作品を知らないので
「へー。こういうの書きそうな人なのかな?」
位にしか思いませんが、全集持ってるほど熱心な人なんか
どう映るんだろうだろうとか気になるところです。
でも久世作品も乱歩作品も好きな延期さんがおすすめなんだから
きっと有りなんだろうな。でも昭和初期にこんなの
出してたら、伏せ字出版になっちゃわないだろうか。
架空とは言え発禁処分とか乱歩が受けなくて良かったです。


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