よるの読書日記
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『コスメティック』<林真理子/小学館> 婚約者を振る台詞が“失敗する時間がもったいない。” カッコいいー! 広告代理店の窓際OLからヘッドハンティングされ、外資系 化粧品会社の広報担当に転進した女性の奮闘を描く本作。 WOWOWでドラマ化されたとき、民放各社がスポンサーに 恐れをなしてできなかった、とか言われていましたが。 そごいぞコスメ業界の内幕。化粧品の原価一割とか、 外資系コスメの売上全部合わせても化粧品全体の二割で 国産企業がすごく強いとか、本社が広報の仕事振りを 査定するのに雑誌に掲載された大きさ定規で測るとか。
そう、雑誌の力って大きいんですねー。私あんまり ファッション誌とか読まないんでびっくりしましたが。 そう言えば昔、今井美樹のドラマで『ブランド』だったかな、 ファッションの広報担当主任が出てくる話がありましたが、 あの時やたら雑誌の人が偉そうなんで何でかなー、と思った覚えが。 記事が売り上げに直結するんだもん、当然よねー。ちなみに 大手雑誌の美容担当には各社から毎週ダンボールで新商品が届くとか。
それに立ち向かう広報の人も、化粧品会社の顔として 2か国語3か国語を操れるのはもちろん、 最先端のファッションやメイクに身を包む文字通り 歩く広告塔でなければならず、その上実力がなければ 簡単に首が飛ぶオッソロシー世界に身を投じているのです。 確かに大変でしょうが、こんないかにも女のものを売る企業で 女としてばりばり働くって確かにものすごい充実感だろうと思う。 もう専業主婦とか永久就職なんてつまんなくなっちゃうだろうな。
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